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嫁いびりの話-原話

吉野ヶ里町箱川下 庄島峰男さん(昭2生)  嫁さんにその、 もうやっぱい憎うしてたまらんもんじゃい、 あの、お母(か)さんがですよ、 もういつも魚ば買うぎにゃもう、 頭ばっかいその、やいないよったて。 頭だけですねぇ。 …

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人柱-原話

吉野ヶ里町上中杖上 堤 ウタさん(明44生)  大体、着物ちゅうとは縦に裁断して 着っですもんね。 そいをその、どなたか知らんけど 横ぎれ使うてはまい着物(ぎもん)ば着とんさったて。 そいぎその、何か田舎は井手上(いであ …

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人柱-原話

吉野ヶ里町曽根 山崎松次さん(大10生)  筑後川のきれた時に、 大島のあすこに人柱に立ってね、 何か侍さんやったちゅう話。 [大成 本格新四六 長良の人柱] (出典 未発刊)

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人柱-原話

吉野ヶ里町箱川下 月山ヨシエさん(明43生)  千栗の、元、杉土手(すぎでぇ)てあった所が、 人柱のあったちゅう話ば聞きよったですね。筑後川の堤防。 着物の横ふせした者ば、人柱になんてんね。 誰(だい)じゃい、頭(かしら …

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人柱-原話

吉野ヶ里町下豆田 福山嘉子さん(大15生)  横ぎれで着物を作ったそいの人が、 あの人柱に立ったとか何とか。 そいけんが、絶対横ぎれは使ったらいかん、 と言うことは聞いたですねえ。 [大成 本格新四六 長良の人柱] (出 …

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人柱-原話

吉野ヶ里町伊保戸箱川 中島繁雄さん(明443生)  作業着が横しま、でけんて。 裏の方に襟(えり)当てとかんとば 付くっでしょう。 そいが、縦じま、しとらんといかんと、 言う話や聞いとりました。 何処かでその、まあ、そう …

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人柱-原話

吉野ヶ里町萩原 安武クラさん(明43生)  横じまを、ふせに当ててあったとか、ちゅう話は聞きました。 そいぎぃ、言うた人が人柱に立ったとか。 [大成 本格新四六 長良の人柱] (出典 未発刊)

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人柱-原話

吉野ヶ里町田手宿 (語り手・年齢不詳)  「着物の横ぎれはすんもんじゃなか」て。 その人が人柱に立たせられた。 横ぎれでふせとった人がね。 そいで、今でも横ざれでふせてはいかん。 「縦ぎれなら総ぎれで使え」て言われよった …

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人柱-原話

吉野ヶ里町 城島夏猪さん(明44生)  大水で毎年土手が崩れるので、 今で言え ば区長さん、そういう人が、 「あの、人柱立てたらね、良かろう」 ち言(ゅ) うので、あの、もう、 誰にも言うわけにはいかないから、 自分が人 …

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二十四孝の竹の子掘りー原話

吉野ヶ里町田手宿 牧瀬ツタさん(明36生)  寒のうちに竹の子ば掘り行たて、 親孝行の息子さんが持って来(き)んさった、 て言うことは、聞いとっまってん。 「やっぱし、親の言うことは聞かんばらん」 て言うことじゃったろう …

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二十四孝の竹の子掘りー原話

吉野ヶ里町目達原 荒木チヨさん(大2生)  病気したお母さんが、 「竹の子食べたか」と、言うところで、 もう冬の寒か時、雪の降っとっ所にね、 あの、山に行って竹の子を探して持って 帰っとっちゅうことは問いとります。 [大 …

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二十四孝の竹の子掘りー原話

吉野ヶ里町箱川下 庄島峰雄さん(昭2生)  「竹の子ば食おうごたっ」ち、 言いなったけん、竹の子ば 堀いぎや行たてっちやろうもん。 そうしたぎにゃあ、その、雪ば こうこうしよったぎ竹の子の出て来たてっちやろうもん。 [大 …

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狐のお産-原話

吉野ヶ里町立野 野中弥太延さん(明40生)  産婆さんが、ちゃんと取り上げて、 ちゃんと、きれいな布団着せてやって、 「今夜(こんにや)泊まっていきんさい」 て言われて、泊まったて、産婆さんね。 そしたら、朝起きてみたら …

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二十四孝の竹の子掘りー原話

吉野ヶ里町伊保戸箱川 中島繁雄さん(明44生)  親孝行息子さんに、 「竹の子食べたか」て、 病気のお父さんが言いなったて。 そいぎぃ、息子さんが冬、取りに行って、 掘ったらば 『源氏物語』の巻物の出て来たて言うことは聞 …

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野狐の難産-原話

吉野ヶ里町田手宿 中牟田キクノさん(明355生)  「産婆さんば迎えに行く時や、 二人で揃ろうて行かんば」て、 昔、言うらしいですよ。 あの、騙したいなんかすっけんとかて言いよった。 野狐が難産の時、産婆さんに言いに来た …

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狐の難産-原話

吉野ヶ里町田手村 緒方サヲさん(明38生)  狐が難産で迎えに来たぎぃ、 「ここに泊まっていけぇ」て、 言いなったぎぃ、泊まったぎ柴の葉ば 着とったちゅうて、そぎやな話、聞いたごとあっ。 [大成 二八六 狐のお産 cf. …

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野狐の難産-原話

吉野ヶ里町 山崎光枝さん(明38生)  お金ば何か払うとって、木の葉やったて。 「お金」ち言(ゅ)うて、持ってきたぎね、 後で見たぎと木の葉やったら。 そんなのは聞いたごとあっ。 [大成 二八六 狐の難産 cf.AT一六 …

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味噌豆の釜茄でー原話

吉野ヶ里町箱川下藤 楽満作一さん(明38生)  ちょっと親子関係で、継子か何かが、 釜に入れて炊きよらしたじゃなかろう。 そいぎ人から問われてさい、 「味噌豆炊きよっ」ち、 言うた話じゃなかったですか。 そいで、今のう、 …

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山姥 -原話

吉野ヶ里町萩原 小宮ヤエ子さん(大8生)  お母(か)さんが留守すっ。そいぎぃ、 「山姥が来っけん、開くっぎいかん」ち。 とにかく化けて来たけん、そや、あの、あいしたろう。 そん次は顔でん何でん白粉(おそろい) つけて来 …

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味噌豆の釜茄でー原話

吉野ヶ里町箱川下 馬場ハルヨさん(明44生)  味噌豆ん中に誰かば入れて、 炊(ち)ゃあとろう。 豆ん中にそがんしてね、入れて炊きないよったち。 [大成 二一九 継子の釜薪 cf.AT七五一] (出典 未発刊)

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味噌豆の釜茹でー原話

吉野ヶ里町力田 平井ワ力さん(大9生)  子供ば茹でないよった。 そうしたら、誰(だい)じゃいが、 「何しよっかんたあ」ち、言いなったぎとは、 「味噌豆煮よっ」ち、言いなったて。 子供ば煮ないよったちゅうて。 そいぎと、 …

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継子の釜茹でー原話

吉野ヶ里町田手村 緒方サヲさん(明38生)  近所の人が、 「何しよっかい」て、言うぎね、 「あの、豆炊きよっ」て。そいぎあの、 「だーあ、見せてくれんかーい」ち言( ゅ)て、 その、見たぎぃ、あの、豆じゃなし、 人間の …

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味噌豆釜茄でー原話

吉野ヶ里町上中杖上 堤 ウタさん(明44生)  あのねぇ、何か二度目のお母さんか 何か知らんけどですね。 そいでその、先のお母さんの子供さんやっ たでしょうね。 そいばその、味噌豆ば大きな七升釜ぐらいで 煮よったですもん …

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ものいう亀-原話

吉野ヶ里町田手村 重松シツエさん(明43生)  柴刈りに行って、薪(まき)ば取ってきて。 そうしてあの、大抵、お米ば、ほら、 餅搗こうでてね、しんさっばってんが、 薪の燃(む)えんじやったけんね。 そいでもう、ちょっとそ …

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瘤取爺さん -原話

吉野ヶ里町苔野 坂井トヨさん(大7生)  良か爺さんと、意地悪爺さんは瘤のあっ。 良か爺さんが、山かなんか行ってねえ。 そして、良か爺さんは踊いの上手やったけん、 「ご褒美」て言うて、瘤を取ってもらいんさ ったて。 意地 …

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花咲爺 -原話

吉野ヶ里町苔野 大井 猛さん(大7生)  犬が、 「ここほれワンワン」で鳴くから、 掘ってみたら、銭(ぜん)や宝があったです。 そいでまた、意地悪爺さんが犬ば借ってから、 また同(おんな)じような、あの、ことを したけど …

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鷹の落とし子-原話

吉野ヶ里町上中杖上 伊香質ウエさん(明355生)  その、鷹のですか。 その人は百姓さんね。 田んぼに出とんさんもんじゃいさい、 大きな鷹が飛んできったい。 鷹がその、持って走っですたい。 足引っかけてね。 着物(きもん …

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鷲の落とし子-原話

吉野ヶ里町伊保戸箱川 野口ハルさん(明421生)  桑の葉ば、子供連れて取るに行って。 そして、桑の葉ば摘みんよっさっ時、子供ば 櫻(さろ)うて行ったわけじゃろう。 そいであの、お母さんな、ほら、 こう気が間違うごとなっ …

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鷲の落とし子-原話

吉野ヶ里町箱川下 月山ヨシエさん(明43生)  あの、桑の藁ば摘みぎや行たて、 篭(かご)に入れておんしゃっぎとばね、 あの、鷲のブーッと飛んできてね、 その子供さんば、あの、掴えてさい、 飛び去ろうとしよっ時、 「やー …

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鷲の落とし子-原話

吉野ヶ里町下豆田 材木ハツエさん(昭2生) 秋山嘉子さん (大15生)  むかし。 お母さんが桑の葉を取いよんさった。 そしたら鷲が、あぎゃんとして、あの、 連れて走ったち。(材木ハツエ談) 良か坊さんになんさったとか何 …

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鷲の落とし子-原話

吉野ヶ里町曽根 古賀フユさん(明38生)  あの、鷲が櫻(さら)っていたて、 何(ない)の木こっちやい知らんばってん、 太か木のあっ所(とこれ)ぇ巣作っとったもようたんたあ。 そうしてその、鷲が持っていたて 「そげぇで養 …

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鷲の落とし子-原話

吉野ヶ里町力田 平井ワ力さん(大7生)  木の上に、その子供ば、あの、 木の枝の上に持っていっとったて。 そうしたら、後からその人は和尚さんに、 偉か和尚さんにないなったちゅうごたっ風な話ば、 後から捜し歩いて、良か坊さ …

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子育て幽霊-原話

吉野ヶ里町吉野ヶ里 山崎光枝さん(明38生)  飴がた買(き)やあ来たて。 そいぎぃ、飴がた屋さんが後をつけた。 お墓でブスッと消えたわけ。 そいぎぃ、和尚さんに言うて掘ってみんさったぎぃ、 赤ちゃんは館がたしゃぶって生 …

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子育て幽霊-原話

吉野ヶ里町曽根 古賀キクさん(明40生)  店の余(あんま)い、飴がたば 買(き)ゃあぎや来(き)んさっけん、 付んのうて行たてみんさったりゃ、 お墓に生きとったちゅう話もあいよった。 そがな話は、ほんに聞いた。 [大成 …

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子育て幽霊-原話

吉野ヶ里町目達原 古川フチさん(大4生)  「産月の人が亡くなったら、 胎児は出して土葬せんば」 て、言いよった。 家(うち)ん前の亡(の)うなんさった時ですね、 女の方が子癇ちゅうですかね。そいで、 「赤ちゃんは早(は …

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古家の漏りー原話

吉野ヶ里町力田 平井ワカさん(大7生)  お爺さんと婆さんの話しないよって。 あの、あがんとの、あの、 「お爺さん、何じゃい、 虎、狼の出てくんない怖かなーい」て、 言いないよったら。あがんとが、お爺さんの、 「虎、狼よ …

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お釈迦さんの話「蚯蚓」-原話

吉野ヶ里町上中杖上 堤 ウタさん(明44生)  お釈迦さんの亡くなんさっ時ね、蚯蚓にね、 「お前(まい)は、泥食え」て、言んさったて。 そしてねぇ、蚯蚓が、 「泥食うてしまうぎぃ、何食うて良かですかあ」 て、言うたて。 …

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蚯蚓の話 -原話

吉野ヶ里町下豆田 福山嘉子さん(大15生)  「何(ない)も食びゅうもなかけんがあ」て、 言うたぎぃ。そいぎぃ、 「外さい出て、お前(まい)陽当たって死ね」 とか言われたて。 [大成 七五 蚯蚓と土] (出典 未発刊)

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蚯蚓の話-原話

吉野ヶ里町吉田 徳安達次さん(明37生)  蚯蚓は、ほんにもう、気が太いと。 構想が雄大にある。そいぎあの、 「蚯蚓の鳴きよったあ、あさん知っとっかあ」 て、聞いた。そしたら、 「蚯蚓は、『日本のノクッ島は、何処ば食うじ …

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野狐から騙された話-原話

吉野ヶ里町 山崎光枝さん(明38生)  ここらへんは山じゃった。 昔ゃ昼でも暗かごとしとったですもん。 昔(むかしし)ですね。 そいぃ、そこに蕎麦(そば)と言うことば、 よう蒔きよんさったでよ、白かねぇ蕎麦。 そうしたら …

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蛇と蛙-原話

吉野ヶ里町上中杖上 堤 ウタさん(明44生)  「わが、食う物(もん)のなかないば俺(おい)どん食うとけぇ」 ち、言うたち言う風なことも聞くですもんねぇ。 そいけん、蛇は蛙を呑むて、 言いよります。  [大成 七二 蛙と …

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野狐から騙された話-原話

吉野ヶ里町曽根 大隈 清さん(大7生)  山の上、めっちゃ網(あみ)引いとっ。 そいぎぃ、誰(だい)じゃい通いかかって、 「お前(まい)、何(ない)しよっかい」て、言うたら、 「魚のいること、いること、」て。 なんの、そ …

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蛇と蛙-原話

吉野ヶ里町伊保戸川箱川 野口ハルさん(明42生)  むかし。 私(あたい)もゆう知らんもん。そいばってん、 「遅う来たけんが、あの、俺(おい)が尻どん食うとれ」ちて、 蛙(びっきー)が言うたけんが、あの、 蛇が尻(しっ) …

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河童の相撲取りー原話

吉野ヶ里町萩原 江口竹次さん(明45生)  河童(かわぞう)が 「相撲取ろう」て、来た場合は、絶対その、 「河童の頭ば下(さ)げさせにゃいかん」て、ね。 そうすると、河童は、頭のぐうっと、 しとるらしいじゃんな。 水が出 …

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蛇と蛙-原話

吉野ヶ里町曽根 古賀キクさん(明40生)  蛇が 「俺(おや)、何(ない)でん食おうごとなか」ち言(ゆ)うて、 言うたけん、蛙が、 「そいない、俺(おい)、尻どん食え」て、 言われたて、言う話のあいよった。  [大成 七 …

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犬の片足小便-原話

吉野ヶ里町上中杖上 堤 ウタさん(明44生)  弘法大師さんからですね、 いただいた足だそうですね。 そいで、便所すっときや必ず片足上げるて、もったいないからて。 [大成 六三 犬の脚] (出典 未発刊)

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犬の片足小便-原話

吉野ヶ里町力田 平井ワ力さん(大9生)  犬が片足あげて小便するのは、 弘法大師から買うたけん、そいけんが、 「いっかかつぎ勿体なか」ち言うて、 足ば、あぐっちゅうて、片一方あぐっちゅうて。 そいぱあつきやあ【それでおし …

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犬の片足小便-原話

吉野ヶ里町萩原 福安ユキエさん(大4生)  むかし。 犬は三本足やったて。 そいぎぃ、不自由すっけん、 弘法大師もらったもんじゃい、 いつかくっきでけんけんが、上(あ)げて小便まっ。 [大成 六三 犬の脚] (出典 未発 …

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一休話「松の木」-原話

吉野ヶ里町田手宿 光吉タマさん(明35生)  奈良の法隆寺に松の木の、 こうあったとに、その松の木が、 こうよんごうとってじゃろう。 そいば、まっすぐ見た者(もん)に、 どがんしこじゃい賞品ばやって、立札ばしてあったて。 …

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一休話「侍にたんぼかけろ」-原話

吉野ヶ里町田手宿 光吉タマさん(明35生)  一休さんがね、侍のおったて。 そいぎぃ、侍さんがその、 昔のことじゃったけん、税金ば、こう取いなったて。 そいぎにゃあ、そこの住民どんがね、 「侍さんば責むっ」ち、しよったて …

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親不孝蛙(仏ビッキー)-原話

三田川町立野 野中弥太延さん(明40生)  仏ビッキーが何(なん)ちゅうか、 親が何ちゅうて も反対ばかいして、 親の言うこと、いっちょん聞きよらんやったらしいですたいね。 そいもんだから、その、言うこと聞かんも んだか …

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エントコ団子(倉谷話2)ー原話

神埼郡脊振村西鹿路 山本善作さん(年齢不詳)  むかし。 倉谷のふうけ者が年頃になったので、ある人が嫁を世話してやった。 ふうけ聟(むこ)は節供に嫁さんの里へ行った。 嫁さんのお母さんは、聟さんに団子(だご)を出された。 …

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穴にお守り札(倉谷話Ⅰ)ー原話

神埼郡脊振村鳥羽院下 森田五郎さん(年齢不詳)  倉谷のふうけ(ばか)息子が嫁さんをもらった。 家の人は、ふうけ息子のことをいつも心配していた。 ある日、ふうけ息子に嫁の里から新築祝いの案内があった。 家の人はふうけ息子 …

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手無し娘 

神埼郡東脊振村小川内 築地カネさん(明37生)  むかし、むかし。 あるところにお父さんと、継母と、娘の3人が暮らしていた。 ある夕暮れ、そこへ一人の魚売りさんが泊った。 継母は魚売りさんに、 「風呂に入んさい」と言った …

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あげは蝶の恩返しー原話 

吉野ヶ里町村上三津 城尾善二さん(明17生)  むかし、むかし。 あるところに両親と娘の三人は、造花を売って暮らしていた。 ある日、お母さんは病気にかかってしまった。 しかし、娘は造花つくりが大変うまくて、江戸でもそのこ …

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横道孫兵衛話「香典」

吉野ヶ里町小川内 築地カネさん(明30生)  ある日、横道孫兵衛がある家の門の前で桶をかぶって寝ていた。 それとは知らずに、ある人たちがその前で長者になる話をしていた。 ところが、三日目におばあさんが、その側を通りかかっ …

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横道孫兵衛話「鴨の汁」

吉野ヶ里坂本 森田官市さん(明24生)  横道孫兵衛という人は 目達原(めたばる)(神埼郡三田川町)に住んでいたとか。 ある家に横道孫兵衛さんがやって来て、 「早う、鴨(かも)ン汁ば吸わせろ。早う鴨ン汁ば吸わせろ」と言っ …

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親不孝蛙-原話

三田川町中杖上 田中初子さん(大3生)  むかしあの。 親不孝の子供のおってね。 そしてあの、親の、こう言うぎこうで、 反対ぱっかいもっていきよったもようじゃんね。 そいで、あの、 「もし、自分が死んだら、あの、川口に埋 …

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○親不孝蛙-原話

三田川町田手村 坂井スミ子さん(大7生)  親不孝蛙ばかいしているからですね、 死ぬ時に、親不孝ばかりその子供がするからね、 あの反対に言うたら、あの、当り前に 埋めてくれるじゃなかろうか、と言うことでね、あの、 「川に …

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親不孝蛙-原話

三田川町箱川字下藤 楽満作一さん(明382生)  むかしむかしの、母から聞いた話じゃが。 とてもあの、親不孝な子供がったそうですたい。 そしてその、お母さんか、お父さんかですたいね。 「あの、私(わし)が死んだらその、あ …

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一休話「お吸い物の蓋」-原話

三田川町田手村 中島フジノさん(大6生)  「蓋を取らずに飲みますからね、あの、 このお吸い物は今冷めているからね、 蓋を取らずに熱いのと取り替えて下さい」て、言ったんですて。 そんな聞いたですよ。 (出典 未発刊)

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親不孝蛙-原話

三田川町箱川下 月山ヨシエさん(明43生)  親不孝の息子さんのね、 反対ばっかいしよんしやった 息子さんのおんしやったて。そいぎぃ、 「お父さんの死んだないね、あの、 川辺(かわべた)に埋(い)けてくいろ」て。 高(た …

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一休話「水飴」飴は毒-原話

三田川町上中杖 堤 ウタさん(明44生)  あの、和尚さんが出んさっ時ですね、 一休さんに、和尚さんが一人(ひとい)で 食べよんさったらしかですよ、 しょっちゅう水飴ば。 「こいば食ぶっぎぃ、お前(まい)死ぬ」 ちて、言 …

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親不孝蛙-原話

三田川町伊保戸箱川 生島トキさん(明425生)  かねがね親不孝しよったけん、 死にる時なっとん、 「親孝行しやにゃでけん」て、 当い前ね、しとったちゅう。 しけん、あの、 「山に埋(い)ける」ち、言う。 「川の道に埋け …

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一休話「虎征伐」-原話

三田川町田手宿 光吉タマさん(明35生)  大名さんの、 「虎ば殺(これ)ぇてくれ」て、 言んさったてじゃろう。 そして、絵に描(き)ゃあた虎やったてじゃろう。そいぎぃ、 「絵に描ゃあた征伐はできん」て、 言んさったちて …

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親不孝蛙-原話

三田川町力田 平井ワ力さん(大9生)  むかし。 親不孝なあがんとが、子供があがんとすっ。 あの、そのお母(か)さんの、 「俺(おい)が死んだないば、あの、川端埋(い)けてくい ろ」 ち言(ゆ)うて、言う。 そうしたぎと …

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○親不孝蛙-原話

三田川町田手宿 江口トモエさん(明36生)  あの、親不孝した蛙がね、あの、 山に埋(い)けてくれて言うたら、 これが反対ばっかいするけん、 「俺が死んだら、川に埋けてくれ」 て言うて、死んだそうです。 そうしたら、雨が …

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親不孝蛙(青蛙)-原話

三田川町吉野ヶ里 山崎光枝さん(明383生)  青蛙(びっきー)が、いつも親に反対ばっかいしていたでしょ。 そして、もう親が、 「山」ち言(ゆ)うたら、自分は、 「川」ち言うように、反対ばっかい言いよったわけですね。 そ …

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親不孝蛙-原話

三田川町下豆田 森山頼一さん(大5生)  私(あたし)がですね、親不孝蛙しよったですよ。 子供ころ小(こま)か時に言うこと聞かずに。 そいぎぃ、おふくろがですね、 「お前(まい)その、私が死んだ時ゃ、あの、 川端(かわべ …

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一休話「虎を追い出せ」-原話

三田川町曽根 古賀フユさん(明38生)  屏風に描いた虎ば一休さんに、 「こいば掴まえに来て」て、言いなったて。 そいばってん、虎は絵じゃんもんじゃいなたぁ。そいけん、 「お前(まい)が、ううてくるんないば俺(おい)が掴 …

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親不孝蛙-原話

三田川町曽根 古賀フユさん(明38生)  親不孝蛙の蛙(びっき)―がおったもようたんたあ。そうしたぎい、 「俺(おい)が死んだ時ゃ、あの、川(かや)あ埋(い)けっくいろう」て。 そうすっぎにゃあ、山(やみ)ゃあ埋くうけん …

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一休話「虎を追い出せ」-原話

三田川町荻原 安武クラさん(明43生)  余(あんま)い利口かもんじゃいけんが、 「お前(まい)は、虎ば、掴まゆっか」ち、言われてさい、 「そんなら、追い出せば私が掴まゆっ」と、言うたとて。 そんなことは聞いたごとあっ。 …

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一休話「このはし渡るな」 -原話

三田川町荻原 小宮ヤエ子さん(大8生)  「このはし渡るな」て、書いてあったけん、 真ん中通って行きんさったて。 (出典 未発刊)

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親不孝蛙-原話

三田川町萩原 小宮ヤエ子さん(大8生)  むかし。 親不孝ばっかいしよってね、あがんと、 もう反対ぱっかいしよったわけやねぇ。 ないの、右ち言(ゆ)うぎ左ち言うごたっふうで、反対ばかいしよって。 そいぎぃ、そいけんそん時 …

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一休話「このはし渡るべからず」-原話

三田川町吉野ヶ里 城島夏猪さん(明44生)  一休さんは、 「このはし渡るべからず」の立札を見て、 真ん中を通って行ったてね。 そいぎぃ、殿様に、一休さんは、 「端は渡っとらん。真ん中を渡って来た」 て、言んさったて。 …

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一休話「このはし渡るべからず」-原話

三田川町吉田 徳安達次さん(明37生)  「このはし渡るべからず」て、書いてあっ。 そいぎぃ、誰(だい)でも渡っことなんなら、 困ったなぁ、と思って、 見よったら一休さんが、こうして見た。 さあっさっと行たて。 「一休さ …

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一休話「虎を追い出せ」-原話

三田川町吉田 徳安達次さん(明37生)  ある人が、 「一休、わが頓智のあってじゃっけんが、俺(おい)が言うけんが、しゆっかあ」 言うたぎと、 「そりゃあ、わかんもんかい」と。 「そんなら、ここの衝立(ついたて)に描いて …

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肉付きの面-原話

三田川町曽根 古賀フユさん(明38生)  嫁くさんのずっと仏さん詣いを 夜さいしんさっもんじゃいなた、 騙そうでて面被ってなた、脅しんさっ。 そうすっぎにゃ、お面の、家(うち)さい来てから、 お姑(か)さんじゃったもんじ …

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一休話「このはし渡るべからず」-原話

三田川町田手宿 光吉タマさん(明35生)  あるその、何(ない)かい、 金持ちたんじゃい、一休さんば今夜(こんにゃ)は、 お御馳走すっけんて、案内のあったてじゃろう。 そうしたや、 「このはし渡るべからず」て、書(き)ゃ …

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お釈迦さんの話「雀・燕・蛇・蛙」-原話

三田川町箱川下 月山ヨシエさん(明43生)         庄島峰雄さん(昭2生)  涅槃(ねはん)さんのね、亡くなんさっ時ね、 皆(みん)ながあの、鳥(とい)でんないでん飛うで行たてやろうが。 そして、 「私(あたし) …

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肉付きの面-原話

三田川町上中杖上 堤 ウタさん(明44生)  嫁さんが信心深かけん、 姑さんがいじわるしんさっ。 そして、鬼の面ば被って、また嫁さんば脅しんさったて。 そいぎ今度、はごうでしんさったらね、 なかなか面のはげんじゃったて。 …

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お流柳-原話

三田川町上中杖 堤 ウタさん(明44生)  ありゃ三十三間堂の柳のお流れて。 お流柳ちゅうとは、娘の子かね。 柳の精、主やんもんじゃいその、 子が引っ張たたいね、柳の木が動くわけ。 そいばってんその、なんぼ人夫雇うて き …

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肉付きの面-原話

三田川町萩原 福安ユキエさん(大4生)  嫁さんばいじめんさったやんね、 姑嬶さんの。 鬼の面は被って威しんしゃったもん。 そいぎあんた、のきゅうでしたぎぃ、 いっちょんのかんやったろう。 そいぎぃ、嫁さんがお寺さい連れ …

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肉付きの面-原話

三田川町衣村 嘉村 勝さん(明33生)  嫁さんが毎晩出て行くけんが、お亭主さんの、 「こりゃあ、悋気(りんき)して浮気しよっばいと、よか男のおっぎできよっじゃろう」 て、ほんに心痛すって。 「そんない、後から今夜(こん …

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肉付きの面-原話

三田川町箱川下 馬場ハルヨさん(明44生)  むかしむかしね。 姑さんの面ば被ってから、帰ってから外そうでしんさったばってん、 はずれんじゃった、ちてね。 そしてもう、一生懸命あぎゃんとしたけん、 肉ぐるみちょっとはずれ …

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安珍清姫-原話

三田川町上中杖上 堤 ウタさん(明44生)  安珍と清姫が一緒になられんくさんたぁ。 大体、今の言葉でいうない、恋人同士やったろう。 そいぎぃ、とうとう一緒になられんない、 安珍て言うのは、坊さんでしょう。 坊さんじゃい …

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肉付きの面-原話

三田川町吉田 八谷 典さん(大4生)  お婆さんが嫁さんをね、騙そうで思うてしたのが、 あの、結局、お婆さんの面がもう、取れなくてですね、みっともないでしょうが。 だから、悪いことをすると、 こう言う風だ、て言うような風 …

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米倉庫-原話

三田川町立野 福島康夫さん(大6生)  むかしゃ。 倉庫ち言いよったですね。 米倉庫。 あれにその、米をその、満杯してやったと。 地主さんがですね。 それをその、蟻が見つけて、そしてその、 自分の巣に持って行くわけですね …

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石動丸ー原話

三田川町目達原 荒木チヨさん(大2生)  あのね、石動丸のお父さんは、もう殿さんでしょうね。 ところが、そのお嫁さんと、あの、いわば お手掛けさんと、表面はとてもよかって。 そいぎもう、表面はよかもんじゃいけん、よかと思 …

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長い話し好きな殿様-原話

三田川町立野 福島康夫さん(大6生)  殿様ですね、結局その、非常に話しが 好きで、ええ、まあ結局もう、面白くて長い話をですね、 した者には褒美をやると、いうお触れがでたそうですよ。 そいでその、頭のいいその、青年がです …

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横道孫兵衞-原話

三田川町立野 福島康夫さん(大6生)  馬使いですね。 馬の行くごともう、全然当たたり前に使われじぃ、 使(つき)ゃあないようたと。 そいぎぃ、馬使いの下手な人に言いよったなたあ。 「お前(まい)、横道孫兵衛の馬使(つき …

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雀と燕-原話

三田川町箱川字下藤 楽満作一さん(明382生)  雀が、チュウチュウで誘い合わせて行たけん、 ありゃあ、その、穀物(こくもん)ばいちばん口餌(え)つかっとっとかなんとか。 そんな話も聞いたことあってですよ。 燕は、紅付け …

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お釈迦さんの話「雀と燕」-原話

三田川町立野 野中弥太延さん(明40生)  御釈迦さんがですね、亡くなられた時に、 雀はもう、あの、余(あんま)り紅付け鉄(か)奨(ね)付けせんじですね、 もう着の身着のままで、御釈迦さんの所へ お見舞ちゅうか、お悔やみ …

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長い名の子供-原話

三田川町下豆田 平 久代さん(昭2生)  名前は、 「ジュゲミジュゲミ、ポポウノスミカ、何(なん)とかのポポンノポンタロウ」てね。 そいけんが、ちょっとおらんごとなって尋(たん)ねる歩(そう)つきなったじゃん。 「ジュゲ …

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お釈迦さんの話「雀と燕」-原話

三田川町上中杖上 堤 ウタさん(明44生)  御釈迦さんの亡くなんさっ時ね、 皆、寄って行って。 そしてねぇ、いちばん最初に行ったのが雀だそうですよ。 余(あんま)りきれいにお酒落して紅付け鉄(か)奨(ね)付けして、 あ …

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長い名の子-原話

三田川町力田 糸山 栄さん(大7生)  ありゃあ、友達と川泳ぎ行って。そいで、 「ジュゲムジュゲムは、深みに入って溺れよっ」 ち言(ゆ)うもんだから、知らせに行った子供が小さいです。 そいで初めから名前を言い出だしたもん …

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養老の滝-原話

三田川町苔野 坂井トヨさん(大7生) お父さんが酒好きじゃけんね。 そいぎぃ、孝行息子が滝の水ば汲んで、 お父さんに飲ますぎぃ、酒になっ。 よう、話聞きよったね。 (出典 未発刊)

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お釈迦さんの話「雀と燕」-原話

三田川町伊保戸箱川 中島繁雄さん(明448生)  雀はお釈迦さんが、臨終で、 そういうつかつかいう事態を早う知ったわけ。 そいで、じきあの、お釈迦さんの宿さい行たから、 「お前(まや)、何でもよか。米でん食べてよか」ち。 …

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長い名の子-原話

三田川町箱川下 庄島九州男さん(大9生)  短い名前じゃったごたっ。 そうしたところが、なんか病気かですぐに死んだ。 そいぎぃ、今度あ、長(なー)ンか名前付くっぎ 長生きすっじゃろうと思うて、 テケテケテル坊何とかち、長 …

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長い名の子-原話

三田川町田手宿 牧瀬ツタさん(明36生)  余(あんま)い名前の長(なん)かったけん、 名前ば言うてしまうまでのうちにゃ、 すぐ子供が死んだけん、その次からは、 「それが濠に入(ひゃ)あって死んだ」ち言(ゆ)うて、 名付 …

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お釈迦さんの話「雀と燕」-原話

三田川町吉野ヶ里 野中初次さん(大4生)  雀は、着の身着のまま、おろたえて行たちゅう。 燕は、お化粧して来よったけん、暇のいったばい。 そいぎぃ、お釈迦さんは雀に、 「この、穀物をお前は食べろ」と。 そして、燕には、 …

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お釈迦さんの話「雀と燕」-原話

三田川町目達原 山田 実さん(大7生)  お釈迦様が重病で危篤の容態に落ち入られたようですよ。 雀は作業中でしたが、取る物もとりあえず、 いわゆる汚れたままで駆けつけて、見舞ったと。だから、 「お前は、一生穀物を食べてよ …

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お釈迦さんの話「雀と燕」-原話

三田川町田手宿 光吉タマさん(明35生)  お釈迦さんの死にんさっ時ねぇ、 雀が一番早(はよ)う来たて。そいけん、 「雀は穀(ごく)さんぼうを食うごと」て、 お釈迦さんの言いんさった。 そいから、燕は遅(おす)う来たて。 …

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飴は毒-原話

三田川町萩原 小宮ヤエ子さん(大8生)  むかし。 和尚さんの何時(いつ)まっでん部屋から、 部屋さい行たて、自分の部屋さい行たて、いっちょん帰って来(き)んさらん。 行くぎにゃ、こそっと、どがんじゃい 隠したごとしんさ …

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古家の漏りー原話

三田川町曽根 古賀フユさん(明38生)  お爺さんとお婆が 「あの、何(なん)でん怖(えす)うはなかばってん、 古家の漏れがいちばん怖か」て 私(あたい)、聞きよったたんたあ。   [大成 三三A 古家の漏] (出典 未 …

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水飴は毒-原話

三田川町吉野ヶ里 城島夏猪さん(明44生)  和尚さんが一人で、ずっと舐よったけん、小僧さんが欲しいけん、 「こりゃ食べたらでけん」て。 和尚さんが、お出かけの留守に、あの、 舐てしもうとって、何か代わりを入れとったちゅ …

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姥捨山(灰縄)-原話

三田川町箱川下 庄島 悟さん(昭7生)  何(なん)じゃい、ちょっと悪かごとちゅうぎぃ、 そがんでけんことばこう、言いよったわけやろう。 そいぎぃ、そんないどぎゃんしたこんな灰で 縄綯(なわ)るっじゃろうかと思うて、 考 …

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姥捨山(灰縄)-原話

三田川町目達原 古川フチさん(大4生)  あとからほら、殿様の何(なん)じゃい言んさった時に、 「灰で縄ないゆん者なおらんか」ち。 誰(だい)でん一生懸命のうたばって、でけんやったて。 そうしたら、そのお婆さんを連れて帰 …

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飴舐め和尚-原話

三田川町吉田 八谷 典さん(大4生)  和尚さんが飴の瓶(かめ)をですね、 何処か隠してあるわけですたい。 そしたら、皆寝静まって、小僧さんが 寝静まった頃に、その和尚さんが瓶を、こう開(あ)けながら、 そして、一人で箸 …

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あんこは仏様-原話

三田川町萩原 小宮ヤエ子さん(大8生)  自分が舐めてしもうて。 そうして、仏様にあんこばひっ付けてしもうて、 「お仏様の食べんさった」ちて。 そいぎぃ、和尚さんが木魚で叩きんさったぎぃ、 「くわーん。くわーん」ち、言い …

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姥捨山(木折り・灰縄)-原話

三田川町田手村 中島フジノさん(大6生)  子供が帰りの道を失わないように、 親心でね、折って行ったと、聞きました。 連れ戻して床(ゆか)ん下に穴掘って、隠しとっ。そいぎぃ、 「灰で縄なえ」て、言われて、そのお婆さんに聞 …

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姥捨山(柴折り・灰縄)-原話

三田川町吉田 徳安達次さん(明37生)  おんぶされながら、お母さんが、 柴の枝ばずうっと折って行きおった。 そいぎ子供が、 「なし、そがんことしよっですか」と聞いた。そうしたら、 「俺と姥捨山にやってから、お前(まい) …

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あんこは木魚-原話

三田川町萩原 山口秋信さん(大7生)  小僧さんが木魚に、あんこばひっ付けとった。 そうしたぎにゃその、木魚ばこらしめてやろうと思うて、 その、水ん中につけたちゅうわけですね、木魚を。 そうしたら、木魚が、 「くった。く …

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姥捨山(灰縄)-原話

三田川町力田 糸山 栄さん(大7生)  「灰で縄綯(な)え」も、それもまた、灰では絶対、 綯(な)われんですもんね、あれ。 そいで、その人がやったのが、藁(わら)を縄になしてから、 焼いて持って行ったと。 そいぎ殿さんが …

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野狐の世間話-原話

三田川町吉田 大川ハツエさん(大8生)  昔は、よう騙されよんさっござった。 盆とお正月にほら、歩いて行くでしょうが。 そいぎぃ、嫁さんの所までお爺ちゃんの行きよんさったわけ。 そいぎぃ、勘太郎ちゅう所のあっわけですよ。 …

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野狐の世間話-原話

三田川町吉田 徳安達次さん(明37生)  まず、あの、 「野狐が騙す」と言う話を聞いとっですもんね。 それで、私は騙されたことがない。 ところが、親父の話ではですね、あの、そこの吉野ヶ里ですね。 吉野ヶ里から向こうの神埼 …

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姥捨山(紫の枝・灰縄)-原話

三田川町田手宿 光吉タマさん(明35生)  息子さんが背負(かる)うて姥捨山さい行きなった。 お婆さんは、ずうっと行く道に柴の枝ば折って行きんさった。 そいぎぃ、息子はまた、帰りそいばずうっとなた。 親は、ちょっとねぇ、 …

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姥捨山(馬・丸太の判別)-原話

三田川町曽根 古賀フユさん(明38生)  姥捨山に行くばっかいになっとったもようたんたぁ、 婆(ばば)さんが。 そうしたらその、馬のなたあ、親ん馬と子ん馬と一様にしとって。 太さも同(おな)しこと、みんな一様にしとって。 …

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狐の恨みー原話

三田川町上中杖上 堤 ウタさん(明44生)  漁師さんのおんさったらしかです。 その子孫はおんさっですもんね。 そいで、そこに私の小学校に行く道のとこやったですもん。 そこに石の建っとったですもん。 あすこは石建てて、時 …

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阿弥陀様-原話

三田川町吉田 八谷 典さん(大4生)  和尚さんが、おはぎば戸棚になわしといなったぎぃ、 小僧が食うてしまう。 そいぎぃ、餡(あんこ)ば阿弥陀様の口にひっ付けてしまっとって。 そしてからね、帰って来てから小僧に、 「お前 …

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姥捨山(木の枝)-原話

三田川町力田 米倉泰市さん(大10生)  むかしゃ命令でさい、山に捨てんばて。 そいで、歩いてね、捨てぎゃ 行(い)たら親父さんがね、 「息子が帰りね、道間違うぎ、でけんけんが」 ちて、こう木の枝かね、ずうっとして、 お …

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焼餅和尚-原話

三田川町箱川下 月山ヨシエさん(明43生)  小僧さんの何処じゃい、あの、 「用事(ゆうじ)行たてけぇ」ち、言うて言いなったち。 行きなったぎぃ、すぐ帰って来なったて。 そいぎもう、和尚さんの餅焼いて食おうで思うてしとい …

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姥捨山(葉)-原話

三田川町曽根 古賀フユさん(明38生)  あの、息子が二人(ふちゃい)してその、担(いの)うて行たて。 年寄りないなったもんじゃなた。 そうして、婆さんば見とったとこでその、山道じゃっけん葉のあって。 何(ない)の葉じゃ …

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狸汁-原話

三田川町衣村 嘉村 勝さん(明33生)  お爺さんが田ぱ耕しておったぎぃ、 狸が出て来て、 「左ぎにゃあ、ギッチョンチョン。右ぎにゃあ、ギッチョンチョン」ちて、 わやくを 言っていた。 そいぎぃ、お爺さんが腹かいて、追っ …

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姥捨山(枝折り)-原話

三田川町荻原 川原チカさん(明32生)  息子さんがですねぇ、お婆ちゃんば背負(かる)うて、 山ば行くついでに、小枝のあった所(とこ)はですね、 一本一本折って。 そしてその、ちょっと頂上まで着くでしょう。 そいで、あと …

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姥捨山(木)-原話

三田川町荻原 小宮ヤエ子さん(大8生)  背負(かるわ)れて捨てられに行く時、ずうっと折って行きんさっ。 帰り道のわかっごとですね、 「帰って行く時、わからんぎいかんけん」 ち言(ゆ)うて、ずうっと木ば折って行って。 そ …

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狸汁-原話

三田川町曽根 古賀フユさん(明38生)  お爺さんが田ば耕しよっなた。 狸がわやくば言うたもようたんたあ。(忘却) 婆さんなた、搗いてしよったもんねえ、殺(これ)ぇて。 爺さんは、狸だと思うて食(き)いないよったら、 婆 …

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姥捨山(木)-原話

三田川町目達原 寺崎 作(明41生)  お母さんば背中に背負(かる)うとっわけ。 そして、捨てに行くわけです。 上(うえ)から、お上(かみ)から、 「お前(まい)方の母ちゃんな幾らか」て。 「六十五」て。 「そんないもう …

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褌(へこ)はずせー原話

三田川町吉野ヶ里 山崎光枝さん(明38生)  結婚して、そいからその後(あと)で 嫁さん所(とこ)から招(よ)びなったやろう、 お御馳走してね。 そうしたぎぃ、そのご馳走がアゲマキて貝のあろうが。 あの貝のお吸物の出たて …

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姥捨山(木)

三田川町苔野 坂井トヨさん(大7生)  ほら、今は七十歳以上のねぇ、 お婆さんの食い口のねぇ、家族の少ないでしょうが。 そいでちょっと減らすために息子さんがね、お婆さんを背負(かる)うて。 そいぎぃ、お婆ちゃんは木のあい …

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狐の嫁入りー原話

 三田川町上中杖上 (語り手・年齢不詳)  私がねぇ、子供ん頃よくお母さんから外に 小便まいに連れて行かれよった。 ピカンピカンしよっですもんね。 今で言うと藤木から続命院へ行く道ですたい。  ピカピカしよっぎぃ、 「狐 …

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野狐の世間話-原話

三田川町箱川下 庄島 悟さん(昭7生)  昔ゃ、この辺、あの、今はもう、補助整備されてないばってん、 まぁーだ昔の堀(ほり)の、クリーク時分にはほら、五月、六月頃のほら、 雨の降っぎんたあ、上(あが)い魚てしよったろうが …

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茗荷の話-原話

三田川町荻原 山口秋信さん(大7生)  茗荷ば食ぶっと、ほんに忘れぽくなっちゅう話ですね。 そいで、ある旅人がその、旅館に泊まったぎにゃあとにゃ、 えらい品物(しなもん)か何(なん)か持っとったでしょうね、旅人が。 そい …

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河童の相撲取りー原話

三田川町田手宿 光吉タマさん(明35生)  お仏(ぶっ)飯(ぱん)ば食うて河童に勝ったちゅうことは、 仏教で信ずっごた気持ちば持っとくぎにゃあ、 勝つちゅう意味じゃなかろうか。 (出典 未発刊)

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茗荷の話-原話

三田川町目達原 大塚サヤさん(大10生)  旅館に泊まりに行ったとでしょ。 そしたら、旅館の女中さんが、あの、泊まっとっお客さんが財布でも 物忘れて行ったら、自分達が貰おうと思うて、茗荷をご馳走しとったて。 そうして、今 …

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和尚の土産-原話

三田川町曽根 古賀フユさん(明38生) 和尚さんと小僧さんと来(き)ないよったてっちゃん。 そうしたらその、隣婆(ばば)さんの一人おいなったてっちゃん。 そいけん、その婆さんに、ずっと、 その和尚さんがお土産持って行たて …

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河童の相撲取りー原話

三田川町力田 糸山 栄さん(大7生)  河童(かわそう)と相撲取る時は、 仏様にあげる、おぶっぱんですね、 あれを食べて、相撲を取れば、 否(いや)が応でも河童が負けるて。 そいばっきゃあ【それでおしまい】。 (出典 未 …

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河童の爪-原話

三田川町上中杖上 諸隈貞夫さん(明38生)  迎さんの家(うち)、河童の爪があったんですよ。 私の部に。迎甚六さん方。 そいであの、話を聞きよったですもんね。 その河童の爪を煎じて飲むと、ワシズの薬ちゅうですね。 (喉の …

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河童の相撲取りー原話

三田川町苔野 北原武夫さん(大3生)  人間が通いよったら、河童が、 「相撲とろう」と。 そうしたら、頭の上の皿は水がひゃあとっけん、 礼ばすっぎこぼるっけんが、河童の力の失(の)うなって。 そいけん、礼ばしてから必ず相 …

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横道孫兵衛-原話

三田川町上中杖下 牛島辰次さん(大6生)  あの、横道孫兵衛ておいなったて、ね。 そいぎと横道孫兵衛が、 「供日(くんち)、どうでんこうでん来(き)んさい」て、行たて。 そうしたらあの、にわなかにさい、桶のあろうが、太か …

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晩の熟柿は糞臭かー原話

三田川町下豆田 材木武尚さん(大5生)  お寺にその、とてもあの、熟し柿の、 熟柿(しゅうれん)柿のうまかとば、 坊さんも小僧も二人(ふちゃい)ながら好いとったらしかもん。 そうしたら、小僧(こうずう)がおらんうちと思う …

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河童の手切れー原話

三田川町田手村 東条三郎さん(明33生)  河童(かわうそ)の、こりゃ私の所(とこ)の事実、 そう言う風にしとったんですがね。 その、便所の中(なき)ゃあ入ったらちゅう。 そしてその、侍が斬ろうと思って、便所におって。 …

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河童の相撲取りー原話

三田川町下藤 楽満作一さん(明38生)  あの、学校帰りの子供がさい、帰って来(き)よったらその、 結局、河童が出て来て、 「相撲とろう」ち、言うたらしい。 そうしたところが、その生徒が言うことにゃ、 「あん、今のうちは …

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ぼた餅は阿弥陀様-原話

三田川町力田 平井ワカさん(大9生)  あんこば口に塗って、 「あの、ぼた餅ゃどがんしたかい」ち、言いなった。 「あの、阿弥陀さんの食べよんさった」て。 「そがんことがあっかあ」ち言う。 そうしたら、 「いんにゃあ。ほん …

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姥捨山(セノウ)-原話

三田川町力田 池田スミコさん(大10生)  お母さんば、セノウとか何(なん)とか言おうがね。 あれに乗せて、背負(かる)うて山に行って、そして、捨てて帰る時にね、 「もう、これは済んだけんね、ここに置いて捨てて、もう焼い …

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和尚お代わりー原話

三田川町荻原 小宮ヤエ子さん(大8生)  お便所さい行たて、 自分一人(ひとい)食べんさっけん、自分も食びゅうと思うて、 行たぎちょうどそこで食べよんさったて。 そいぎぃ、調子の悪かもんじゃい、 「お代わり」ち言(ゆ)う …

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古屋の漏りー原話

三田川町曽根 古賀フユさん(明38生)  お爺さんとお婆さんが、 「あの、何(ない)でん怖(えす)うはなかばってん、 古屋の漏りがいちばん怖か」て、私(あたい)聞きよったんたあ。     [大成 三三A 古屋の漏] (出 …

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継子の椎の実拾いー原話

脊振村岩屋 副島セキさん(明202生)  むかし。 あぎゃんと二番嬶(がく)さんのじゃねぇ、二番嬶さんのその、椎、椎ば、 今度のわが持った嬶さんの子と娘の子のおったて。 そうしたところがその、椎ば拾いぎゃ二人連れて行きな …

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馬鹿聟どんー原話

三田川町目達原 荒木チヨさん(大2生)  もう、ふゆう坊の何でせじぃ、ごろんごろんしとったもん。 そうしたぎんと、その嫁さんの家(うち)に何か挨拶に行かんば。 紋付袴(もんつきはかま)で、たったったあで行きよらした。 所 …

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馬鹿聟の団子-原話

三田川町下豆田 材木武尚さん(大5生)  聟さんが、 「団子、団子」言うて、来よったところが、 ちょうど川の踏んばい口のあったもんじゃい、 「ピントコ」ち言(ゆ)うて、跳びやったところが、 それから先は団子じゃなし、ピン …

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屁ふり嫁-原話

三田川町吉野ヶ里 野中ツルさん(大5生)  嫁さんになって屁ば我慢しとったばってん、 顔色の悪うなったけん、 「どがんかあるね」て、言われて。 「そんない、そこの柱ば、かがい付(ち)いとってね。 柱ば握っとかんない飛ぶよ …

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野狐のご膳迎えー原話

 三田川町吉田 徳安達次さん(明37生)  この辺で野狐のご膳迎(むき)ゃあ、とこう言うですもんね。 あれ、そういうようなことは、この北部よりも南部の昔の堀(ほい)ですね。 ああ言うところの多か所が、そういうあの、言い伝 …

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ピントコイショ団子-原話

三田川町力田 中川政江さん(大14生)  馬鹿聟さんが嫁さん方さい行って、団子出されて。 そいぎんと、余ぃおいしかったけんが、 「団(だ)子(ご)、団子、団子」て言うて、 ずうっと言うて行きよって、溝のあったけん、跳びな …

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「お」の字-原話

三田川町目達原 大塚サヤさん(大10生)  何(なん)でんかんでん「お」ば付けたて。 「余(あんま)い付くっぎんたあでけん」ち。 「お」ば付けたらいかんけん、 「けの中」ち言(ゆ)うて。 「けの中に入(はい)とっ」て。 …

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姥捨山(駕籠)-原話

三田川町曽根 (語り手・年齢不詳)  婆(ばば)さんば駕籠に乗せて捨てに行たなた。 息子が、駕籠ば持ち帰ろうでしたもようたんたあ。 そいぎその、親父さんが 「捨てとってよか」ち言うて。 そして、息子が言うてにゃ、 「こり …

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姥捨山(木)-原話

三田川町箱川下 牧 ツルヨさん(明44生)  お婆さんば、ずうっと背負(かる)うて 連れて行っとったら、お婆さんが両方(じょうほう)の木を、 とぶとぶ切って行きよったて。 そいぎぃ、 「お婆さん、なしてそやあ木ば切って行 …

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馬鹿聟の褌(へこ)はずしー原話

三田川町豆田 森山頼一さん(大5生)  あの、ちぃっと足らんやったろうなた。 そうしたぎにゃあ、嫁さんの家(うち)、行ったぎその、お吸物にその、 あげまきの御汁(おつゆ)の出たて。 そいぎぃ、あげまきの御汁の出た時はその …

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姥捨山(背負う)-原話

三田川町伊保戸箱川 重松賢吉さん(昭2生)  あの背負(かる)うてですね、 捨てきらずに連れて帰って、こそっと置いとってですね、 床ン下に穴掘って隠しとんさった。 そして、何(なん)の殿さんから、あの、 何かあった時に、 …

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野狐から騙された話-原話

三田川町苔野 野口四郎さん(大14生)      大井 猛さん(大7生)  私が叔父の話を聞いた話は、ちょっと重箱にご馳走持って、 そして、その、梅雨頃でしたかなんか知らんけど、 向こうでダブダブって、大きな魚のおるごた …

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吉野ヶ里の餅石-原話

吉野ヶ里町下藤 重松新作さん(明36生)  吉野ヶ里で一人(ひとい)あの、 旱魃の時、濠(ほい)掘ったもんなた。 水溜ば堀いなったやろう。 そげぇ、誰(だい)じゃい子供が死んだて。 そしたら、餅ば上げて。 昭和二十八年の …

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半殺しと本殺しー原話

吉野ヶ里町吉田 徳安達次さん(明37生)  例えば、部落の公役をですね。 そうすっと、これはもう、私達も経験のあってでしょ。 公役の時に、大概昔は、寄って食べるのが最大の、あの、楽しみ。 それで、 「今日はどうか。半殺し …

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馬鹿聟のピントコショー原話

吉野ヶ里町萩原 福安ユキエさん(大4生)  途中でねぇ、川じゃい何じゃい跳んで、 ピントコショになって。 そして、帰ってから、嫁くさんに 「そいば作ってくいろ」て 言いなったろうもん。そいぎぃ、 「そぎゃんと知らん」と言 …

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半殺し本殺しー原話

吉野ヶ里町箱川下 庄島 悟さん(昭7生)  何処(どっ)からじゃい来た嫁さんがさい、 「半殺しせろ」て、言いなったぎぃ、 びっくいしてのまい。 そぎゃなこと、ひょとこう、耳したことあっばってん。 【本殺しとは、ぼた餅のこ …

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馬鹿息子-原話

吉野ヶ里町目達原 今村又司さん(明45生)  馬鹿息子がおったそうです。 何させたっちゃもう、ためにならん。 やいそこなうばかい。 「わがも、何かいっちょ、商売なっとんしてみれ」て。 「そいならいっちょ、お茶ば売って来ぇ …

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半殺しと皆殺しー原話

吉野ヶ里町苔野 大井 猛さん(大7生)  ホテルかに泊まっとったばってん、 「明日(あした)はどうしようか。 半殺しにしようか、皆殺しにしようか」ち、女中さん達が話よんもんじゃい、ああ、 こりゃあえらいことになるばいと思 …

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馬鹿聟は饅頭(ピントコ)-原話

吉野ヶ里町上中杖下 牛島辰次さん(大6生) 吉野ヶ里町曽根 古賀フユさん(明38生)  饅頭じゃいして、ほんにうまかったけんが、 お金持っとらすばってん、その聟さんが馬鹿やったけんが、 こいば、嫁御に、いっちょ作らしゅう …

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猿と蟹 -原話

            吉野ヶ里町 野中ツルさん(大5生)  猿(さっ)と蟹(がい)が、 「餅搗こうやっかい」ち。 猿が、 「お前(まい)は臼借ってきやい」ち言うた。 そいぎ、自分は杵借ってきて。そして搗いてから、 「お …

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猿と蟹-原話

吉野ヶ里町荻原 小宮ヤエ子さん(大8生)  猿と蟹(がに)が餅搗きしょうと、 猿が蟹に杵ば借りにやった。 その行たとっ間に、自分が餅米でん何(なん)でん用意して。 そいぎぃ、取って来っぎぃ、 「そがんとで搗かるっかあ」ち …

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猿と蟹-原話

吉野ヶ里町伊保戸箱川 野口トワさん(大3生)  むかし。 猿と蟹とね、あいしてあの、 餅搗こうかちゅうことになって、 「そんならお前(まや)あもう、 砂糖てん小豆(あずき)てんば買(こ)うて来(こ)んかあ」て。 そいぎぃ …

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猿と蟹-原話

吉野ヶ里町曽根 古賀フユさん(明38生)  猿と蟹(がに)が餅ば搗いたて。 蟹が返しぎゃ行った時に、猿は柿の木に登ったて。 そうしたりゃ、蟹が、 「俺も、いっちょくれーんかん」ち言うたて。 そいぎぃ、 「嫌(いや)」ち言 …

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十二支の由来-原話

吉野ヶ里町上中杖上 田中初子さん(大3生)  猫が鼠から騙されてね、あの、腹きゃあて、 教(おそ)えんやったけん、猫には。 早う行くぎ早く行た順から子・丑・寅・卯・辰でね。 そいばってん、鼠がずうっと猫から食わるっけんね …

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猿どん蟹どんー原話

吉野ヶ里町目達原 弘山フミさん(明42生) 大塚サヤさん(大10生)  猿(さっ)どんと蟹(がい)どんと行き合うてから、 木の上に猿が登ってですね、あの、餅を吊して、 蟹は登りきらんから下から眺めよったて。 そして揺(ゆ …

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十二支の由来-原話

吉野ヶ里町伊保戸箱川 野口トワさん(大3生)  あの、尻尾に下がってね、 そしてもう、決勝に着いた時にもう、 自分がさっと降りて先に行ったけん、 鼠が早かったちゅう話を、 ちょっと子供の時に聞いっとたばんたあ。 [大成  …

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十二支の由来-原話

吉野ヶ里町目達原 北島善吾さん(大12生)  神様が、そいこそ皆をその、 非常起こしをしたわけですね。 そうしたぎんとは、牛が一番早かったてやろ。 そいけん、その角に乗っとったと。 一番早う角の方が、前こう向いとっ。 そ …

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十二支の由来-原話

吉野ヶ里町荻原 小宮ヤエ子さん(大8生) 牛の上、鼠が乗っとっ。そいで、いちばん口になった。 [大成 一二 十二支の由来 AT二七五] (出典 未発刊)

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十二支の由来-原話

吉野ヶ里町箱川下 庄島九州男さん(大9生)  お釈迦さんが十二支(えと)ば決むっち。 そしたぎね、あの、牛がね、一番最初届いたぎと、 「あの、いちばんじゃった」ち言(ゆ)うて、 こう、言いよったぎんと、まだあの、後ろから …

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十二支の由来-原話

吉野ヶ里町吉田 徳安達次さん(明37生)  あの、猫が入っていないです。いうことで、 「いんにゃ、俺(おや)、おれ」ち言うて、その、遠慮した。 それは猫じんじゃとか、いうような話は聞いとります。 猫じんしゃとは、そっから …

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十二支の由来-原話

吉野ヶ里町力田 平井ワカさん(大9生)  お釈迦さんの時でしょう。 あん時には、あの、何(なん)でん早う行こうでて 一生懸命行きよって、牛がノソノソ行きよったぎぃ、 そのあぎゃんとが、鼠が牛の尻に乗って行きよったてやろう …

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お釈迦さんの話「雀と燕と蚯蚓」-原話

吉野ヶ里町力田 平井ワカさん(大9生)  お釈迦さんの臨終の時、 燕はお洒落しよったけん間に合わんやったて。 そいで、虫ば、あぎゃんとで。 雀は、サーッと行って、あぎゃんとしたけんが、あの、 「何でよかとば食え」て、お釈 …

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十二支の天候-原話

吉野ヶ里町 吉田 徳安達次さん(明37生)  天候ですね。 こーれが、こういうようなその、 いわゆる十二支の、これで、 こういうような話を聞いております。 あの、子(ね)・丑(うし)に曇って、 寅(とら)・卯(う)の雨て …

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お釈迦さんの話「蚯蚓」-原話

吉野ヶ里町立野 野中弥太延さん(明40生)  蚯蚓は何か、あおの、 「何(なん)食べてよかですか」て、聞いたら、 「お前は泥食うとけぇ」て、言われたそうです。 そうしたら、 「泥食うてしもうたら、何(ない)食うたらよかで …

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十二支の由来-原話

吉野ヶ里町 城島夏猪さん(明44生)  鼠から騙されて、 日にちを間違えて翌日を言うたわけ。 そいで猫は、翌日行ったけれども間に合わんやったと。 [大成 一二 十二支の由来 AT二七五] (出典 未発刊)

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十二支の由来-原話

吉野ヶ里町下豆田 生島 正さん(大2生)  日にちは嘘(すらごと)教えて、 あの、言うたけんがもう、猫が腹かいて、 もう鼠ば取っごとなったちゅうて。 [大成 一二 十二支の由来 AT二七五] (出典 未発刊)

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十二支の由来-原話

吉野ヶ里町下豆田 福山嘉子さん(大15生)  牛が先に来よって、 鼠は尻尾にかがいついとって、 あの、牛よいた先にぴょーんと、 飛び降りたとか何(なん)とか。 そいけん、いちばん早かとが鼠て、 聞いたことはあってですねぇ …

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十二支の由来-原話

吉野ヶ里町下豆田 福山嘉子さん(大15生)  牛が遅いので、早く行きましょうと思うて、 早く行きよったら、あの、鼠がこすいもんで 牛の体に乗っといて、 着いた時に自分は先にピョンと降りたとか、 そんなこと聞いたことありま …

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十二支の由来-原話

吉野ヶ里町箱川下 庄島九州男さん(大9生)  お釈迦さんが十二支(えと)を決めるそうです。 そしたら、あの、牛が一番最初に着いて、 「あの、一番じゃった」と言っていたら、 後ろから鼠(ねずみ)が、 「わしが一番やった」と …

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田螺と狐の競争-原話

吉野ヶ里町立野 福島康夫さん(大6生) 狐が田螺(たにし)に、 「おーい、田螺よーい」て、 叫(おら)んで降り向いたところが、 「おうー今来たかあ」て、言うてその、尻尾から落ちてですね、 言うたと言うような話をちょっと聞 …

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屁ふり嫁-原話

吉野ヶ里町吉田  八谷  典さん(大4生)  だんだん顔が蒼くなってね。 そいぎぃ、 「そがん、どうしたと。そぎゃん痩せて。 そがんなってて、言うたらね、 とうとう白状したらしいですよね。 「そがんこらえんてちゃ良か」て …

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屁ふり嫁-原話

三田川町曽根 古賀フユさん(明38生)  行きよってその、車力の後(あと)から来(き)よったて。 こう荷物ばつけて。 そうしたらその、 「あんたん、お疲れなたあ。 私(あたい)が、ちょっと屁ぶってみて加勢しゅうかあ」 ち …

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ドッコイショの買物ー原話

吉野ヶ里町吉田 八谷 典さん(大4生) 「団子ば買うてこい」と、言われとったか、何かでしょうね。 そして、 「団子、団子」て言うて、行きよって、橋があって、 「ああ、ドッコイショ」て、越えたら、 そうしたら、団子ちゅうこ …

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ピントコショの使い

吉野ヶ里町 栗山辰次さん(大4生)  買物に行きよって、 「ピントコショ」で跳うだから、 「ピントコショくんさい」ち言うたぎぃ、笑われた。 [大成 三六二B 買物の名] (出典 未発刊)

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馬鹿息子の使いー原話

吉野ヶ里町萩原 小宮ヤエ子さん(大8生)  何じゃい、とにかく、 「買うてきて」て、頼みんさったぎにゃあ、もう忘るっぎでけんと思うて、 一生懸命その名前ば、ずうっと言うて行きないよったところが、 そけ、何じゃいあったぎに …

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ピントコショの使いー原話

吉野ヶ里町田手村 丸野春雄さん(大3生)  使いにいってね、 「薬」て、言うて行きよって、あの、溝のあったけんが、 「ピントコショ」て、渡ったて。そいぎぃ、 「ピントコショ、ピントコショ」言うてですね、店にいってから、 …

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本殺し半殺しー原話

吉野ヶ里町目達原 大塚サヤさん(大10生)  旅行に行た時にですね、 「遠くから来なさったけんが、今日は何(なん)のご馳走してやろうかあ」 ち言(ゆ)うて、話しよんさったら、 「本殺ししゅうか。半殺ししゅうか」て、話しよ …

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買物の使い 吉野ヶ里町田手宿 法師山正巳さん(大6生)  物覚えが悪いから、とにかく言われたのを ずうっと口移しに言いながら行きよって。 そいぎ今度、川を飛ぶ時に、 「ピントコショ」で跳んだら、 それがずうっと、 「ピン …

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二十四孝の竹の子掘りー原話

神埼市神埼町利田 納富ミヨさん (明22生)  あの人はね、ほんに親孝行じゃったてっちゃんね。 そしたぎぃ、お母(か)さんが病気してね、 「竹の子食べたい」ち、言いなさったて。 そいばってんが、寒(かん)のうちけんね、 …

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二十四孝の竹の子掘りー原話

神埼郡吉野ヶ里町曽根 古賀フユさん(明38生)  二十四孝の竹の子のあのほんな、お寺の前にあんもんなた。 私(あたい)どんが、 「言うこと聞くごと」ち言(ゆ)うてなた、 「見てんのう。親孝行すっぎにゃあ、 十二月のあがん …

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脊振山の石楠花

神埼郡吉野ヶ里町小川内 武廣 勇さん(明32生)  あのですね。 こりゃ、あの、脊振山(せふりさん)の石楠花(しゃくなげ)の由来ち。 それば一つ話そうかなた。 むかし、大昔に。 日本中の神様の集まいが、豊前の国の彦山であ …

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お万ケ滝ー原話

神埼郡吉野ヶ里町小川内 武廣 勇さん(明32生)  今からちょうど六百年ばかり昔、 蛤岳(はまぐりだけ)(八六二・八メートル)に大野川の、 あの、源があったもようです。 ところが、ちょうどその時分に、 今の三田川(神埼郡 …

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河童の爪ー原話

神埼郡吉野ヶ里町上中杖上 諸隈貞夫さん(明38生)  迎さんの家(うち)、河童の爪があったんですよ。 私の部落に。 迎甚六さん方。 そいであの、話を聞きよったですもんね。 その河童の爪を煎(せん)じて飲むと、ワシズの薬ち …

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河童の手切れー原話

神埼郡吉野ヶ里町田手村 東条三郎さん(明33生)  河童(かわうそ)の、こりゃ私(わたし)の所(とこ)の事実、 そういうふうにしとったんですがね。 その、便所の中(なき)ゃあ入ったらち言(ゆ)う。 そしてその、侍が斬ろう …

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吉野ヶ里の観音様ー原話

神埼郡吉野ヶ里町田手宿 城島サダさん(明31生)  あすこは東妙寺の別れでしょうが。 ありゃ、元の国から攻めた時の祈祷の寺でしょうが。 夏来たけんね、元の国から我が国に攻めたぎ 敵は十四万来(き)とっでしょうが。 亀山天 …

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石動丸ー原話

神埼郡吉野ヶ里町上中杖 堤 ウタさん(明44生)  石動丸のお母さんと、お父さんの苅萱道心(かるかやどうしん)ですかね。 ありゃあ、九州の大分県でしょうね。 あすこで一緒になんさったけども、その石動丸という子供だけ腹に残 …

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神功皇后ー原話

神埼郡吉野ヶ里町箱川字下藤 重松新作さん(明36生) 神功皇后は、あのね、 あつこの志賀島のお宮に参(まえ)らして。そしてあつこに、 その、何(なん)か、海の海賊ち言(ゆ)うか。 海賊ば、その、神功皇后に惚れてさい。 そ …

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長い名の子ー原話

神埼郡吉野ヶ里町吉田 八谷 典さん(大4生)  名前を余(あんま)い長い初めて生まれたその男の子がねえ、 「長生きするごと」ち、名前ば何とか、とにかく長いあっですもんね。 そして、やっと一人(ひとい)の名前ば呼ぶぎもう、 …

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へえの話ー原話

神埼郡吉野ヶ里町目達原 荒木チヨさん(大2生)  あの、下(しも)ん辺(にき)やあその、 「くど〔かまど〕の下(した)の灰のことも、へえ」ち言(ゆ)う。 「飛びよる〔飛んでいる〕蝿(はい)のことも、へえ」ち言うでしょう。 …

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かけ茶碗ー原話

神埼郡吉野ヶ里町目達原 荒木チヨさん(大2生)  あの、一軒の家、お父(とっ)たんお母(か)さん、 子供が二、三人おったと。 そこにお父たんの叔父(おんじ)さんの、 ちょっと遊びぎゃ来(こ)らしたち言うわけ。 そうしたぎ …

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長い話の好きな殿様ー原話

神埼郡吉野ヶ里町立野 福島康夫さん(大6生)  殿様ですね、結局その、非常に話しが好きで、 ええ、まあ結局もう、面白くて長い話をですね、 した者には褒美をやると言うお触れがでたそうですよ。 そいでその、頭のいいその、青年 …

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横道孫丘衛話「鴨の汁」ー原話

吉野ヶ里町坂本 森田官市さん(明24生)  横道孫兵衛が来て、 「早(はよ)う、鴨ん汁ば吸わせろ。早う、鴨ん汁ば吸わせろ」と言(ゆ)うて 「はい」ち言うて、姉やんか、誰か知らんばってんが、 鴨の汁ば吸わせたところが、鴨の …

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横道孫兵衛話「馬使い」ー原話

神埼郡吉野ヶ里町坂本 森田官市さん(明24生)  目達原(神埼郡吉野ヶ里町)の人で、その人は横道孫兵衛て言(ゆ)う人で。 主人が、 「お前(まい)、今日、苗取ってくれんかい」て。 「はい、はい。取りましょう」ち言うて。そ …

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横道孫兵衛話「飯の仕事」ー原話

神埼郡吉野ヶ里町上三津 筒井徳一さん(明20生)  横道孫兵衛さんて言う人が、まあ、地主の所へ雇われて、 一年中、雇われて奉公しとった人らしか。 なかなかその人が力持ちで、大食家で、ご飯を三人前ぐらい食べたらしいな。 そ …

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横道孫兵衛話「香典」ー原話

吉野ヶ里町小川内 築地カネさん(明30生)  横道孫兵衛どんは、村の人が家の門でじつとして何日もいると 長者さんになる話をしよんさつたもんで、毎日ここの門に桶かぶって寝とったて。 そしたら、お天道さんの来んしゃろうて思う …

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餡は仏様ー原話

神埼郡吉野ヶ里町萩原 小宮ヤエ子さん(大8生)  自分が舐(な)めてしもうて。 そうして、仏様に餡 (あんこ)ばひっ付けてしもうて、 「お仏様の食べんさった」ちて。 そいぎい、和尚さんが木魚で叩きんさったぎい、 「くわー …

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小僧改名ー原話

神埼郡吉野ヶ里町目達原 大塚サヤさん(大10生)  小僧さんが三人おってですね、 あの、和尚さん帰って来(き)んさっと待っとっとでしょ。 そしてから、余(あんま)い来んさらんもんじゃいけんが、 とにかく餅焼いて、あの、和 …

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小僧改名ー原話

神埼郡吉野ヶ里町萩原 江里ロサヨさん(大10生)  和尚さんが、毎晩自分の部屋で餅焼いて食べよんさっ。 小憎さんも何とかして、自分たちも欲しいて、思いよったけども、 仕様がないもんだから我慢しとったわけどね。 ある日、 …

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焼餅和尚ー原話

神埼郡吉野ヶ里町下豆田 材木武尚さん(大5生)  小僧(こうずう)のおらんうち、和尚さんな餅焼いて食いよって。 小僧が帰ってきたもんじゃい、和尚さんなおろたえて〔あわてて〕 火鉢の灰(ひゃあ)ばひっ被(かぶ)せて隠しなっ …

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塩吹き臼ー原話

神埼郡吉野ヶ里町上三津 城尾善三さん(年齢不詳)  むかし、むかし。 あるところに欲張りで金持ちの兄さんと、貧乏な弟さんが住んでいた。 ある年の師走の二十九日に、貧乏な弟さんは餅を搗こうと思って、 臼を借りに出かけようと …

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三人の片輪者ー原話

神埼郡吉野ヶ里町小川内 武広 勇さん(年齢不詳)  むかし、むかし。 あるところに跛(ひんば)と、鼻ぽんと、盲の三人がいたと。 ある日、その三人が連れ立って旅に出かけた。 ちょうど、あるところまでやって来たら、村公役があ …

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七兵衛と八兵衛ー原話

神埼郡吉野ヶ里町小川内 武広邦敏さん(年齢不詳)  むかし、むかし。 あるところに、金持ちの七兵衛と、貧乏な八兵衛とが住んでおったと。 ある日、八兵衛は火吹き竹を作り、婆さんに、 「七兵衛方さい行かんならんけん、 おとん …

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姥捨山(駕籠)ー原話

神埼郡吉野ケ里町箱川下 生島峰雄さん(昭2生)  あの、ちょっと姥ば、う捨てぎゃ行きよったけんが、 「ほら、またその、捨てぎゃ行く時、あの、駕籠(かご)ば持って 帰らんばらんけんが〔帰らなければいけないから〕」ちて。 「 …

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姥捨山(笹の葉・灰縄・糸を通せ)ー原話

神埼郡吉野ヶ里町立野 福島康夫さん(大6生)  昔や捨てよったでしょ。 七十位(ぐり)ゃあなればですね。 そいであの、兄弟二人で、あの、駕籠(かご)に入れて姥捨山に、 あの、連れて行きよってね。 その時に、お婆さんがずー …

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黍食い平太ー原話

神埼郡吉野ヶ里町小川内 武広 勇さん(明34生)  あるところにですね、 非常にあの、黍(そば)食い平太という若者がおったそうです。 それがですね、黍を丼(どんぶり)で十五杯位(ぐらい)食わなきゃ、 承知しないという、そ …

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本殺し半殺しー原話

神埼郡吉野ヶ里町目達原 大塚サヤさん(大10生)  旅行に行た時にですね、 「遠くから来(き)なさったけんが、 今日は何(なん)のご馳走してやろうかあ」ち言(ゆ)うて。 「本殺ししゅう〔しよう〕か。半殺ししゅうか」て、 …

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茗荷の話ー原話

神埼郡吉野ヶ里町立野 福島康夫さん(大6生)  結局その、宿屋に泊まったわけですね、爺さんが。 そうしたところが、その爺さんがその、 昔ですから、たくさん金を持っとったでしょう。 もう見ればわかりますからね、宿屋に。そう …

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屁ふり嫁ー原話

神埼郡吉野ヶ里町立野 福島康夫さん(大6生)  結局、嫁くさんが来てですね。 そして、その、色の蒼(あお)うなんさっわけですねえ、来てから。 そいでもう、姑嫁さんも、主人も、お父(とっ)たんも、 「こりゃあ、病気じゃなか …

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ピントコショの使いー原話

神埼郡吉野ヶ里町目達原 寺崎 作さん(明41生)  馬鹿息子がですね、使いにやった時に、その、 「お前(まい)あの、ちょつとピントコショば買うて来い」 て、言われたらしい。そいけん、 「お父さん、『ピントコショ』て、何か …

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馬鹿爺の団子ー原話

神埼郡吉野ヶ里町立野 福島康夫さん(大6生)  何処(どっ)かへ行って、団子をお接待なったでしょ。 そうしたところが、とにかくその、美味しかったもんだから、 家の伯母さんにも作ってもらおうと、言うことで初めはその、 「ダ …

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馬鹿爺の風呂入りー原話

神崎郡吉野ヶ里町吉田 八谷 典さん(大4生)  馬鹿爺さんが、お嫁さんの家に(うちに)里歩き(さとあるき)すんもんね。 里歩きば、お嫁さん方に呼ばれて行くわけですよ。 そしてから、お嫁さん方で風呂入ったところが、熱かけん …

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へこはずせー原話

神崎郡吉野ヶ里町立野 福島康夫さん(大6生)  ある、お祝儀にふうけ〔馬鹿〕者が おったわけですね。 そいでその、ふうけ者じゃったばってん、そのふうけ者がですね、 地主さんの息子であったわけですね。 そいでその、地主さん …

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人柱ー原話

神埼郡吉野ヶ里町立野 福島康夫さん(大6生)  いつも切れるもんだから、結局、 その人が着物に当て布(ぎれ)の人を立てると、 土井(どて)が切れんようになると。 結局、あの土手がその、何ですか。 成富兵庫茂安が築いたら、 …

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人柱ー原話

神埼郡吉野ヶ里町目達原 寺崎 作さん(明41生)  橋を作るわけですね。 そして、昔は橋には必ず人柱を立てよったそうですね。 橋の支柱にですね。 ところが、庄屋の金持ちたん〔さん〕がですね、 「家(うち)の娘は、もうやろ …

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お地蔵さんー原話

神埼郡吉野ヶ里町辛上 荒木キクさん(明37生)  嫁くさんの姉(あんね)さんに行たといなったっちやん。 姉さんにくさんたあ、下女奉公しといなったんたあ。 そしてもう、飯粒ばずっと、旅笥(しょうけ)寄せてなたあ、 飯粒の落 …

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寝ても福が来るー原話

神埼郡吉野ヶ里町曽根 古賀フユさん(明38生)  蜂のその、隣(とない)同士お爺さんのおいなった もようたんたあ。 そうしたらその、一本松の木のあったて。 そうしたぎその、隣のお爺さんの、 「あっけえない〔あそこにな〕、 …

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狐の難産ー原話

神埼郡吉野ヶ里町萩原 江口竹次さん(明42生)  その、雄か雌か(おんちょかめんちょか)知らんですけど、 お産婆さんを迎えに行くらしいですね。 その、産気づいたもんじゃから。 そいけん、一生懸命苦しんで、 ちょうど産気づ …

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かぼちゃと猫ー原話

神埼郡吉野ヶ里町小山内 築地カネさん(明37生)  蒔(ま)かない種は生(は)えんち言(ゆ)うて、 こう太かかぼちゃの生(な)ったけんが、 ちぎって〔取って〕お爺さんの来なったち言うて。 そうして、そいば(かぼちゃを)食 …

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山姥ー原話

神埼郡吉野ヶ里町在川 中島テルヨさん(明38生)  子供たちを置いて出て行く時に、 「あそこいらが、こう山姥のおっけんが、 その山姥の来っ時は戸ば絶対お母(か)さんの来んまで戸を開くっこたなんぞ」 〔開けちゃだめだぞ〕山 …

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味噌豆の釜茄でー原話

神埼郡吉野ヶ里町曽根 古賀フユさん(明38生)  二番お母(か)さんのなた、 子供ば煮よんさつた〔煮ておられた〕てじゃろ。 そしたぎにゃあとは、近所の人が来てね、 「そや、何(ない)炊きよっかい」ち、言いなったら、 「味 …

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竹子と梅子ー原話

神埼郡吉野ヶ里町上三津 城尾善二さん(明17生)  竹子と梅子と姉妹二人がおった。 お父(とっ)さんは商人であって、二番お母(か)さんで。 そうして、この竹子とその梅子は娘二人は、 先(せん)の子供であって、お父さんが商 …

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飴は毒ー原話

神埼郡吉野ヶ里町萩原 小宮ヤエ子さん(大8生)  むかし。 和尚さんの何時(いつ)まっでん部屋から部屋さい行たて、 自分の部屋さい行たていっちょん帰って来(き)んさらん。 行くぎにゃ、こそっと、どがんじゃい隠したごとしん …

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二十四孝の竹の子掘りー原話

神埼郡吉野ヶ里町力田 平井ワカさん(大7生)  雪の降いよっ時分に、親父さんの、 「あの、竹の子食おうごたっ」ち、言(い)いなったばってんが、 「ぎゃな[こんな]雪降り竹の子のあんもんかい」ち、誰(だい)でん人の言(ゆ) …

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椎拾いー原話

神埼郡吉野ヶ里町目達原 大塚サヤさん(大10生)  お爺さんに破れ袋と、お婆さんによか〔よい〕袋て。 お爺さんは、いっちょん〔ひとつも〕溜らじい〔ずに〕、 あの、お宮じゃい泊まんさった 〔かに泊まられた〕ですよね。 そう …

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手無し娘ー原話

吉野ヶ里町小川内 築地カネさん(明37生)  ちょっと商人(あきんど)の泊いなったら、その、 そこの二番お母(か)さんやっもん。そしたらその、 「風呂に入んさい」てやっけん、 風呂に入いや行たとんさる留守、 お母さんの魚 …

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大歳の火

神埼郡吉野ケ里町曽根 古賀フユさん(明38生)  大晦日も日その、 「きょう(きゅう)は、大晦日は火ば絶やさんごとしとつてくれんばでけん。 いつちょん「まったく」消(きや)さんごとしとれやあ」ち言(ゆ)て、 言いなったけ …

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石臼の話

神埼郡吉野ヶ里町上三津 城尾善二さん(明17生)  師走の二十九日の日に、 兄弟二人、金持ちの兄貴さんと貧乏な弟さんがおって。 金持ちの兄さん方に、この弟の貧乏人が 師走の二十九日に何か借りに行ったでしょう。 言わば餅な …

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子育て幽霊ー原話

神埼郡吉野ヶ里町田手 緒方サヲさん(明38生)  赤ちゃんのほらねえ、親は死んどっばってん、 赤ちゃん(は)生きとったけんさい、〔生きていたから〕、 墓ん中(なき)ゃあ埋められてから、もうずうっと泣くもんじゃい、 そこさ …

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子育て幽霊ー原話

神埼郡吉野ケ里町箱川下 月山ヨシエさん(明43生)  妊娠で亡くなっしやったけんね、 あの、長肌着ば着せて、(昔や焼きよらんやったろうが。)その、 土葬やったけんそのないしてやっちゃったて。 そうしたぎとは〔そうしたら〕 …

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一寸法師ー原話

神埼郡吉野ヶ里町在川 中島テルヨさん (明38生)  お父(とっ)さんとお母(か)さんと別れるって。 自分はたった一寸(約3.3㎝)ぐらいしかなか小さか体ばってんが、都に出て、 京都に行って、そして出世して立派(じっぱ) …

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鶴の恩返しー原話

神埼郡吉野ヶ里町小川内 築地カネさん (明30生)  お爺さんの山に行きんさったところが、 鶴が罠(わな)にかかって、苦しんどつところば、 お爺さんの助けてくんさったてなたあ。 そしてから、帰って来てから、 「ぎゃんして …

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塩売りさんー原話

神埼郡吉野ヶ里町辛上 荒木キクさん(明37生)  むかし。 あるところに塩売りさんで、 ずーっと、塩売りぎゃ(に)行きよんさったもようたんたあ。 嫁さんは持たんない、年は三十もなって塩売いぎゃ、ずーっと行きよんさったて。 …

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蚯蚓(みみず)と蛇ー原話

神埼郡吉野ヶ里町立野 野中弥太延さん(明40生)  何(なん)かあの、ちょっとですね、 あの、蛇は蛙を食べるけどもあの、 蚯蚓(みみず)には追われるらしかですね。 そいで、 「なし【なぜ】じゃろか」ち言(ゆ)う。 そうし …

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蚯蚓(みみず)の話ー原話

神埼郡吉野ヶ里町曽根 古賀フユさん (明38生) 「わが(お前」は、天気のよか時その、往還に出て死ね」て、 「神さんの言いなった」ち言うて、 今から先や駈矧(みみず)の皆(みんな)死んどろうが、道端にね。 そりゃ、神さん …

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親不孝蛙ー原話

神埼郡吉野ケ里町吉野ケ里 徳安達次さん(明37生)  やっぱいあの、にわか雨が降っとか、 そういう場合は、青蛙(ビッキー)ですね、 あれ【青蛙】がその鳴くと。 それで、一回聞いたことがあっですよ。 「あい〔青蛙〕、どおし …

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お釈迦さんの話「雀と燕・蛇と蛙」ー原話

神埼郡吉野ヶ里町吉田 徳安達次さん(明37生)  お釈迦様がですね、亡くなられる時に、 あらゆるあの、動物ばその、いろいろ大抵やあ、 枕元にあの、行ったと。 それで、例えば、雀は、その話を聞いてあの、 おろたえて【慌てて …

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お釈迦さんの話「雀と燕」ー原話

神埼郡吉野ヶ里町曽根 古賀フユさん(明38生)  お釈迦さんのおろたえて【慌てて】、その、 「痛(いと)うだけん、来(け)え」ちて、言いなったて。 そうしたらその、雀がおろたえ、いちばん口(くち)来たて。 そいぎ雀に、 …

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古家の漏りー原話

神埼郡吉野ヶ里町力田 平井ワカさん(大7生)  お爺さんと婆さんの話しないよって。 あの、あがんとの【あんなのが】、あの、 「お爺さん、何(なん)じゃい、 虎、狼の出てくんない【くるなら】怖かなーい」て、言いないよったら …

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○猿蟹合戦ー原話

神埼郡吉野ヶ里町吉田 徳安達次さん(明37生)  まあ結局は、猿がいちばん利口であった。 それであの、何(なん)て言うか、蟹が握り飯を持っておって、 あの、猿が種を持っておったと、言うことですね。 それで、握り飯と、こう …

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猿と蟹ー原話

神埼郡吉野ヶ里町立野 福島康夫さん (大6生)  猿と蟹(がに)が餅揚いて、 猿が餅ば持って柿の木に登って食よったと。 猿は餅ば落としてしまったけん、 蟹がそいば穴ん中に持って歩(さり)いて。 そしてその、お猿さんが, …

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一日由来ー原話

神埼郡吉野ヶ里町目達原 北島善吾さん(大12生)  いたちが牛の角に付いとったらしいですね。そいで、 「俺(おい)も早かったやっか【だろう】」て、言うたもんじゃい、 「お前(まい)、どがんして【どのように】して後ろからや …

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十二支の由来ー原話

神崎郡吉野ヶ里町伊保戸箱川 野口トワさん(大3生)  あのね、むかしあの 「その、早(はよ)う来た者(もん)からね、 あいすっ(順番決める)」ち言われて、 鼠(ねずみ)が、一番に。 あの牛がね、 「もう自分な[は]足がの …

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狐と田螺(たにし)の競争ー原話

神崎郡吉野ヶ里町力田 糸山 栄さん(大7生)  狐と田螺(たにし)は、 余(あんま)い仲の良か方じゃなかですもんな、ありゃあ。 あい、何(なん)かのきっかけでその、狐と田螺が、 「そんない[それならば]、かけごろしゅうか …

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尻尾の魚釣りー原話

神崎郡吉野ヶ里町力田 中川政江さん(大14生)  猿が尻尾で釣いよって。 そいぎい、いつまってん[いつまでも]下(さ)げとって、 そいが自然と氷が張って。 そして、尻尾を上ぎゅうで[あげようと]したら、 あの、氷の張っと …

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狸と狐の騙し合いー原話

神崎郡吉野ヶ里町立野 福島康夫さん(大6生)  狸と狐は、こいどま〔こいつらは〕お互いにだますとが好きじゃんもんじゃから、 あの、狸が結局、魚か何(なん)か持っとったんだしょう。そいで 「お前、じゃあ、どがん「どう」して …

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孟宗竹の話ー原話

神埼郡吉野ヶ里町吉田 徳安達次さん(明37生)  こりゃ、中国の話で孟宗という人が親孝行で、たったひとりのお母(か)さんに、 非常にあの、親孝行しよったところが、病気をお母さんがしたと。そして、 いろいろあの、看病しよっ …

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そば食い平太 ー原話

大食いの平太のお話です。

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○そば食い平太

大食いの平太が、そばを
「ペロリ」と食べるところに
想いを入れて読みました。(吉武紀子)

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