三田川町田手村 中島フジノさん(大6生)

 子供が帰りの道を失わないように、

親心でね、折って行ったと、聞きました。

連れ戻して床(ゆか)ん下に穴掘って、隠しとっ。そいぎぃ、

「灰で縄なえ」て、言われて、そのお婆さんに聞くとね、

「縄ば燃せ」て。

そいぎぃ、縄の、灰のごとこう、出てきてね。

そいば捧げんさっぎぃ、

「あの、ちょっと、こやあ、やっぱい年寄いばね、姥捨山にやっこたなん。

大切にとっとかんばでけん」ちゆうごたっふうでね。

そいで、ご褒美ば貰いんさっ。

 [大成 五二三A 親棄山 AT九八一]

(出典 未発刊)

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