神埼郡吉野ヶ里町曽根 古賀フユさん(明38生)
二十四孝の竹の子のあのほんな、お寺の前にあんもんなた。
私(あたい)どんが、
「言うこと聞くごと」ち言(ゆ)うてなた、
「見てんのう。親孝行すっぎにゃあ、
十二月のあがんとでん[寒い日でも]竹の子のあっごと、
ちゃんとお寺描(き)やあてあっじゃあ[描いてあるぞ]」て言う。
そいけん、私見よった。今もちゃんと、竹の子掘いなっ人(しっ)たんと、
竹の子の立ってこうしないよっとの付(ち)いとっもん。
冬に行たて竹の子ば掘いよったち言(ゆ)う話たんたあ。
〔大成 補遺四 孟宗竹 (AT四〇三B、四八〇)〕
(出典 吉野ヶ里の民話 P219)