吉野ヶ里町伊保戸箱川 野口ハルさん(明421生)
桑の葉ば、子供連れて取るに行って。
そして、桑の葉ば摘みんよっさっ時、子供ば
櫻(さろ)うて行ったわけじゃろう。
そいであの、お母さんな、ほら、
こう気が間違うごとなって、
「子供ば返せ、返せ」でね、
間違うたごとなって、ちょっと、こう、
もう、感傷になって行たて、後からあの、
その人は杉の木、あぎゃんとになた、
落ちて、あの、引っ掛かんとんさっとば、
あの、坊さんがこう、助けて
養(おう)しんさったわけじゃろう。
その人が、あの、坊さんになって、
ちょっとよか坊さんになんさった話ば
聞いたもんなた。
そや、和尚さんから聞いたわけね。
そこの光妙寺で聞いた
[大成 一四八 鷲の育て児]
(出典 未発刊)