三田川町下藤 楽満作一さん(明38生)

 あの、学校帰りの子供がさい、帰って来(き)よったらその、

結局、河童が出て来て、

「相撲とろう」ち、言うたらしい。

そうしたところが、その生徒が言うことにゃ、

「あん、今のうちはちょっと空腹(ひもしか)けん、

ちょっと家(うち)帰って、ご飯一口食べてから来(く)っ」と、言うて、

帰って道具下ろして、ちょっと食事時じゃなかもんだから、

あの、仏さんのおっぱんさんを戴いて、そうして相撲取りに行ったちゅう。

そうしたところが、もう河童の方が逃げて、

堀(ほい)の中にもう、潜ってしもうたとか。

その話を、やっぱい親から聞いたことのあっですよ。

(出典 未発刊)

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