三田川町力田 米倉泰市さん(大10生)

 むかしゃ命令でさい、山に捨てんばて。

そいで、歩いてね、捨てぎゃ

行(い)たら親父さんがね、

「息子が帰りね、道間違うぎ、でけんけんが」

ちて、こう木の枝かね、ずうっとして、

お爺さんは山に置いて帰よったら、あの、

ちゃーんとあったけん、ずうっと

道しるしあったけんね、引返して親父ばね、

「どぎゃんなっても良か」と、

言うて歩(あゆ)いて帰ったと。

 [大成 五二三A 親棄山 AT九八一]

(出典 未発刊)

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