神埼郡吉野ヶ里町萩原 江口竹次さん(明42生)

 その、雄か雌か(おんちょかめんちょか)知らんですけど、

お産婆さんを迎えに行くらしいですね。

その、産気づいたもんじゃから。

そいけん、一生懸命苦しんで、

ちょうど産気づいとんもんじやいけん、連れてくるらしいですね。

そして、お産して立派(じっぱ)にその、お産させて、そうして帰って。

そうして、初めて皆帰ってしもうて、明くる日なってみたらその、

そん時ゃ立派なお金じゃったてですね。

帰ってみたら、明くる日は、それが柴の葉ばっかいになったてなた。

〔大成 二八六 狐のお産 (cf.AT一六五B)〕

(出典 吉野ヶ里の民話 P107)

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