三田川町吉田 徳安達次さん(明37生)
「このはし渡るべからず」て、書いてあっ。
そいぎぃ、誰(だい)でも渡っことなんなら、
困ったなぁ、と思って、
見よったら一休さんが、こうして見た。
さあっさっと行たて。
「一休さん、今、この、
『橋渡っことなん』て、書いちゃっけんが、行きよっぎ咎めらるっばい」言うたぎぃ、
「うん、そうか」ち言うて、
橋の端ば行きよったぎぃ、相変わらず咎めた。
「俺(おや)、端ば渡いよっ。真ん中ば渡いよっ。
橋は渡いよらん。真ん中ば渡いよっ」
(出典 未発刊)