三田川町下豆田 材木武尚さん(大5生)

 お寺にその、とてもあの、熟し柿の、

熟柿(しゅうれん)柿のうまかとば、

坊さんも小僧も二人(ふちゃい)ながら好いとったらしかもん。

そうしたら、小僧(こうずう)がおらんうちと思うて、

坊さんの上登ってなた、熟柿(しゅうれん)ば、ちぎいないよったらしかもん。

そうすっと小僧が帰ってきて、今のは和尚さんのおんなかけんが、

よかろうじゃっと思うて、はさいきき持ってきてなた、

ここんにき実(な)っとったとばちゃんと、昼覚えとったらしかもん。

そうして、ここんにきあったとば、ちゃっと、はさみききではそうだところが、

和尚さんの金玉はそうどったもようじゃん。

そいぎぃ和尚さんの痛かもんじゃい、

ビリビリビリっと、そのなた、糞(うんこ)しなたって。

そいがその、小僧は熟柿(しゅうれん)の落ちたと思うて、

口入れてなた、その糞(くそ)じゃんもんじゃい、

「あいたあー、晩の熟柿(しゅうれん)は糞臭か」て、言んさったらしかたんたぁ。

(出典 未発刊)

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