吉野ヶ里町田手宿 光吉タマさん(明35生)
一休さんがね、侍のおったて。
そいぎぃ、侍さんがその、
昔のことじゃったけん、税金ば、こう取いなったて。
そいぎにゃあ、そこの住民どんがね、
「侍さんば責むっ」ち、しよったて。
そしたら、一休さんの来(き)んさったて。
そして、一休さんの言んさっことにゃね、
「竹藪(やぶ)てんなんてんその、
刀てん弓てん持って行たっちゃ、
その侍さんば向かうぎにゃあ、罰になっ」て。
「お前(まい)達も殺さるっ」て。
「そいけんがあの、たんぼば、いっかけろ」て言んさったて。
そいぎぃ、そこの住民達が、その侍に
たんぼば、いっかけたて。
そいぎぃ、侍さんな逃げて行きなったて。
(出典 未発刊)