三田川町上中杖 堤 ウタさん(明44生)

 ありゃ三十三間堂の柳のお流れて。

お流柳ちゅうとは、娘の子かね。

柳の精、主やんもんじゃいその、

子が引っ張たたいね、柳の木が動くわけ。

そいばってんその、なんぼ人夫雇うて

きても動かんじゃんね。

そいが前に、

「この柳の木を切ったらでけん」ち言(ゆ)うてね。

そいぎぃ、そいば三十三間堂に持って行こうで、

もう切って倒して、さあ、皆で持って

行こうでしたら動かんやったそうですねもんね。

そいぎぃ、そのお流れの子供が、あの、

音頭とったらしいですもんね、唄歌うて。

そしたら、動いたち。

(出典 未発刊)

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