三田川町吉野ヶ里 山崎光枝さん(明383生)

 青蛙(びっきー)が、いつも親に反対ばっかいしていたでしょ。

そして、もう親が、

「山」ち言(ゆ)うたら、自分は、

「川」ち言うように、反対ばっかい言いよったわけですね。

そうしたらその、親が死んだ時、

その子蛙がね、親の言うこと初めて聞いて。親は、

「川端に埋(い)けろ」て、言うたとじゃろ。

そうしたとが、雨のどんどん降ってから、

「大水が、はるうて親が川に流されてしもうた」

て言うて、ギャアギャア鳴きよっとかて。

[大成 四八 鳶不孝]

(出典 未発刊)

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