三田川町目達原 古川フチさん(大4生)
あとからほら、殿様の何(なん)じゃい言んさった時に、
「灰で縄ないゆん者なおらんか」ち。
誰(だい)でん一生懸命のうたばって、でけんやったて。
そうしたら、そのお婆さんを連れて帰って来とっですもんね。
そして、床(よか)ん下じゃい何処じゃいに置いとっとですもんね。
そいぎんと、そのお婆さんに聞いたぎんと、
「そや、縄ばのうたとば焼いて、そうしたらそのまま残るけんが」
ち言(ゆ)うて、教えらしたて。
そうして、子供が殿様に言うたら、
「お前、知恵者」ち言うてから、こう言んさったて、
「自分じゃない」て。
「殿様には悪かばってん、親ばぎゃんして置いとっ」て。
「そいけんがあの、母さんからの知恵ば授かってからしました」
て、言うたて。そうしたぎんとは、
「そんなら年寄りは無駄にしたらいかん」ち言うことになったちて、
そがん聞いたです。
(出典 未発刊)