神埼郡吉野ヶ里町吉田 八谷 典さん(大4生)

 名前を余(あんま)い長い初めて生まれたその男の子がねえ、

「長生きするごと」ち、名前ば何とか、とにかく長いあっですもんね。

そして、やっと一人(ひとい)の名前ば呼ぶぎもう、

いつまっでん、[いつまでも]かからな[かからないと]

言えんごたっ名前だんです。そいでその、

「井戸ん中にね、入ったらから、早く助けてくれ」て言うけど、その名前を

お父(とつ)さんが一生懸命になって言(ゆ)うけど、

言うてしまった時にはもう、

余い長(なん)かったけん、死んでしまったちゅう話。

〔大成 六三八 長い名の子〕

(出典 吉野ヶ里の民話 P196)

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