吉野ヶ里町萩原 小宮ヤエ子さん(大8生)
お母(か)さんが留守すっ。そいぎぃ、
「山姥が来っけん、開くっぎいかん」ち。
とにかく化けて来たけん、そや、あの、あいしたろう。
そん次は顔でん何でん白粉(おそろい)
つけて来っじゃろう。
とにかくわからんごとして、その次は出て来たですねぇ。
そん時ゃ、騙されてとうとう開けたろう。
そいぎにゃあ、開けてみたら、手足だけ
あぎやんとで、もうびっくいして。
そん時やもう、殺されてしもうたですね。
食われてしもうた。
一人(ひとい)隠れとりやせんやったろうか。
[大成 二四五 天道さんの金鎖AT一二三、三三三、一八〇]類話
(出典 未発刊)