三田川町荻原 小宮ヤエ子さん(大8生)
背負(かるわ)れて捨てられに行く時、ずうっと折って行きんさっ。
帰り道のわかっごとですね、
「帰って行く時、わからんぎいかんけん」
ち言(ゆ)うて、ずうっと木ば折って行って。
そいばってんが、どがんしたっちゃ置ききらんばってんが、お母さんのもう、
「行け。帰れ、帰れ」言われてね、帰んさっばってんが、また迎え行きんさっね。
そうして、人にわからんごと床ん下に隠しんさっ。
そいぎぃ、殿さんが、
「灰で縄なえ」て、言んさっぎぃ、
息子がわからじ、婆ちゃんに聞いたとじゃんね。(未完)
[大成 五二三A 親棄山 AT九八一]
(出典 未発刊)