神埼郡吉野ヶ里町立野 野中弥太延さん(明40生)

 何(なん)かあの、ちょっとですね、

あの、蛇は蛙を食べるけどもあの、

蚯蚓(みみず)には追われるらしかですね。

そいで、

「なし【なぜ】じゃろか」ち言(ゆ)う。

そうしたら、あの、初めは蚯蚓は

目ん玉持っとったらしかですがね。

持っとったらしいですけれども、

蛇と何かと交換したとかなんとかち言(ゆ)うようなですね。

そいでその、あがん【あのように】したら、

あぎゃんしわえん【できない】ごとなったち言うような。

そいけん、蚯蚓には蛇は、

一番怖(こわ)がっち言うような話も聞いた。

〔大成 七四 蚯蚓の歌と蛇の眼 (AT二三四)〕

(出典 吉野ヶ里の民話 P38)

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