三田川町下豆田 森山頼一さん(大5生)
私(あたし)がですね、親不孝蛙しよったですよ。 子供ころ小(こま)か時に言うこと聞かずに。
そいぎぃ、おふくろがですね、
「お前(まい)その、私が死んだ時ゃ、あの、
川端(かわべた)に埋(い)けてくいる」ち、言うたですよ。
「そや、何(なし)かい」ち、言うぎにゃあ、
「そや、俺(おい)が死なんばわからん」ち言うたも んにゃあ。
そいけんが、その、俺が死んだないば、
その、川端に埋くっとばってん、大体その、親孝行しよんもんな埋けんでしょうが、
川端に。
そいぎぃ、親不孝しよっけんが、そぎゃあん言うて、
ほんな例えは、その、川端に埋けんごた風な、
そぎゃんことで言ったらしかですもんね。
家(うち)のおふくろは、そぎやあん、
私が言うこと聞かんもんじゃいけんなた。
そがん言うたことのあっ、ほんなこて。
「俺が死んだないば、川端の方に埋けっくい
ろ」ち言うて。
そいぎい、
「雨の降っぎにや、その、流るっ」
ちゅうごたっ風でなた。
[大成 四八 鳶不孝]
(出典 未発刊)