神埼郡吉野ヶ里町目達原 北島善吾さん(大12生)

 いたちが牛の角に付いとったらしいですね。そいで、

「俺(おい)も早かったやっか【だろう】」て、言うたもんじゃい、

「お前(まい)、どがんして【どのように】して後ろからやったけんが」

ち言(ゆ)うて、一日(ついたち)ち言うて、

「いたちの一日」て言うでしょう。

そぎゃな話ば、ちょっと親父から聞いたごと【こと】あってですね。

そういうわけで、一日(いちにち)のことば、

「ついたち」て。

そいけん【それだから】、十二支の中(ナキ)ゃあに入っとらんばってんですね。

「そんなら、お前も入れてやろうだい」ち言うて、

「ついたち」ち言うて、言うたごたっ【よう】ですよ。

[大成一二 十二支の由来 (AT二七五)]類話
(出典 吉野ヶ里の民話 P14)

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