三田川町曽根 古賀フユさん(明38生)
和尚さんと小僧さんと来(き)ないよったてっちゃん。
そうしたらその、隣婆(ばば)さんの一人おいなったてっちゃん。
そいけん、その婆さんに、ずっと、
その和尚さんがお土産持って行たて食わせなってっちゃん。
そいぎぃ、和尚さんが婆さんにばっかい持って行たてくいよっ。
婆さんのあそこば、ひとくい芝居しゅうで思うてなた、
「婆さんののまい、お前(まい)のことは、たちゃくちゃ言いないよっばい」て。
「そいけんが、あぎゃな者ば、よそつけござんな」て、言いなったらその、
「坊さんのその、あの婆(うんぼ)やんな、お前のことば、たちゃくちゃ言いないよっばい」
て、言うたぎその、その人が腹きゃあて、両方(じょうほう)から、
あつここんごしたけんがなた、
小僧さんに、そいからが土産ば、やんさったなた。
(出典 未発刊)