吉野ヶ里町田手宿 光吉タマさん(明35生)

 奈良の法隆寺に松の木の、

こうあったとに、その松の木が、

こうよんごうとってじゃろう。

そいば、まっすぐ見た者(もん)に、

どがんしこじゃい賞品ばやって、立札ばしてあったて。

そいぎぃ、一休さんなもう、

ほんな曲がったとは他の者な、

「どがんして見っじゃろうかぁ」て、

見よったばってんが一休さんな、

曲がったとは曲がったなりに見んさったけんが、

殿さんから、褒美ば貰(もり)ゃあさったて。

一休さんな、やっぱい、頓智の

小(こま)か時からあんさったじゃったけんが、やっぱい。

(出典 未発刊)

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