鳥栖市河内町 徳淵 鼎さん(明24生)
嬶(かか)さんが継嬶さんじゃったちゅうな。
そいで、その親父さんがその山、
山から帰って来てその、しきいに腰掛けて、
「ぎゃん、遅う何処(どけ)ぇおったけん」ち。
そうしてところが、片ひらのくぎその、子供の名を言うて、
「何処行たとるけん」ち。
「子供はその、あんたがいつまでも帰って来んけん、
あんたば尋ねて山さい行たて、まあーだ戻って来ん」ち、
言うたもんじゃけん片へらなくけん、
片へらそのはめたなりその、山さい尋ねて行たち。
そして、その
「かっちゃんとけたか。かっちゃんとけたか」
ちゅうたその、鳴くけんな。
それがその、そがん言うて、尋ねて歩(さる)きよって。
「かっちゃんとけたか」は、
「髪はとけたか」ち言(ゅ)うてその、
娘が手がなかったとか、なんとかなあ。
それでその、頭のとけたならば、
頭ばっかい結ばれんちゅうごたる風で、
「髪のとけたか」ちゅうてその、
泣きよっとち言う話でございますがなあ。
そいぎその、ホトトギスの足は片へら白うして、
片へら黒かち言いまっしょ。
(北通広場 7)
[五八 片脚脚絆]
(出典 鳥栖の口承文芸 P84)
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