新村 田中五代さん(大13生)
親鸞上人が、あの、諸国をずっと歩いて
お説法して回いよんさっ時やろう。
その時に、その、ちょうど仏さんを嫌いな所に
泊まってあったわけ。
そいぎあの、刀を研ぎよったわけ、そこの主人が。
そいぎぃ、隣の婆ちゃんが、
その、仏さんをお詣りをようする人が、
その子供を、こうおんぶしながら、歌ば歌いんさんもんね。
子供守いしながら。
子供の子守り唄のごったとを。
草の田んぼではねのけて、山に山を重ねよ
て、歌いんさったぎぃ、
草の冠を、はんのくっぎぃ、早くやろう。
早くここを出なさいて、
言う歌ば子供を守いしながら、婆ちゃんが歌うけん、
その言葉を聞いてね、出て行きんさったて言う、
その話を聞いたけんね。
そいもお寺で聞いたけんね。
そう言う風で、親鸞上人さんは皆からそう言う風にして、
あの、生き延びてね、そう言うお話は聞いたごとのあっ。
(出典 三根の民話 P145)