神埼市千代田町境野地区川崎 内田亥左夫さん(明42生)

  むかぁし、むかぁしですねぇ

 あるところに、とても親孝行の息子さんがおったそうです。

ところが、家はとても貧乏で、

その日の食べ物に困るような生活をしていて、

お父さんが病気になって寝込んでしまわれたそうです。

それで、その息子さんが、酒好きなお父さんに

酒を飲ませたいと思ったけれども、酒を買う金はないので、

滝のところに行って祈るわけでしょう。

 そうして、

「この滝の水が酒になるなら、どれだけよかろうか」と思いながら、

せめて、この滝の水だけでも飲ませてやろう、と思って、

持って帰って飲ましたら、本当の酒になっていたそうです。

 孝行息子の思いが天に通じたというお話です。

 

(出典 千代田の民話 P41

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