佐賀市長瀬町 納富信子さん(大14生)
東京の法螺吹きが、唐津に来たて。
そいぎ、勘右衛門(かんね)どんが、小(こまー)か網で、川で何かすくいよっとば見て、
「何しよっかんた」ち言(ゅ)うたぎぃ、
「鯨すくいよっくそう」ち言うたて。
そいから、今度(こんだぁ)、
「富士の山は日本一」て、東京の法螺吹きが言うけんね、
そいぎ、勘右衛門どんの、
「なんて、唐津の鏡山(かがみやま)が、まーだ高(たっ)かくさい」て。
「なしかんた」ち言うたぎぃ、
「今、屈(かが)んどっばってん、あいが立ちどんすんない、日本一くさい」て、言うたて。
(出典 さが昔話 P44)