小城市三日月町東分 北島フクさん(明31生)

 八大龍王様はね、大きな楠の木が両方にありますもんね。

その楠木は、青々と茂っとっでしょう。

そいが、一夜のうちに青い葉が落ちてしもうて、

枯れ木に見えたわけですね。

そいで、村の人がびっくいして、

「どうして、こんなことになったろうか」て、

そうしたらですね、

「八大龍王さんを、深川の勝妙寺のお寺にやろう」ていうことを、

言うた人があります。

そうしたら、その枯れ枝のごとなっとったとが、また、

一夜のうちに、青い葉がずーっとついたて。

そういう不思議なことを、八大龍王さんはしとると。

そいけん、お龍王さんは、海の中の高神さんじゃっけん、

粗末にしちゃぁならんて。

(出典 三日月の民話 P56)

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