続命院 吉丸知代さん(大3生)
子供にね、こう、料理途中で何(なん)かお母さんが
用事ができたから、あの、お魚か何かそのへんにあったからね、
「あの、これ見とかんとでけんよ。
ちょっと何処そこかに行って来(く)っけん」
ち、出て行ったでしょう。
そうしたら、その後(あと)に猫が入ってきて、
そのお魚きれいに食べてしまったて。
そいで、出て行ったて。
お母さん帰って来て、
「あら、この魚どうしたね」ちて、聞いたら子供が、
「あの、猫が来てからもう、
ムシャムシャムシャでおいしそうに食べていったよう」
て、言ったて。
「そいけん、『見とかんね』て、言うたろうがあ」て。
子供はね、
「『見とけ』て、言うたから、どうするか、
ちゃあーんと見とったじゃいね」て。
(出典 三根の民話 P138)