続命院 吉丸知代さん(大13生)

 蝉のね、九月頃になったら、ツクツクボウシですかね。

あれが、あの、何(なん)かその、

筑後国の人が、今で言うなら出稼ぎでね。

商売でも何でもいいけど、とにかく遠い所に行って病気してね、

もう筑後が恋しいなあ、ふるさとが恋しいなあ、と思いながら、

一生懸命に自分のふるさとに思いを込めて亡くなられたそうですもんね。

だから、その魂がね、ふるさとに帰って、あの蝉になってね。

だから、あれは、

「筑紫恋しい、筑紫恋しい」て、鳴いているよ。

(出典 三根の民話 P132)

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