持丸 岡 信夫さん(昭4生)
親不孝息子の三人おったてぇ。
そうしたら、そいが葡萄畑ば余計持っといなったてじゃろう。
そいぎぃ、親父さんが、
「葡萄畑、宝物ば埋けとっけんが、俺が死んでから、三人でわけろ」
て、言いなったとか。
そうしたぎぃ、あの、親が死んでから、
「こりゃあ、もう、宝物を探そう」と、
あっちこっちもう、スコップ持ってきたい、
鍬(くわ)持ってきたいして、もう、探すばってん、とうとうなかったげな。
そうしたら、明くる年は葡萄のどっさい生(な)ったて。
今んごと、あいば耕すぎにゃあとよかばってんが、耕しとんみゃあが。
そいがもう、タカラ探したいのう。
耕したけんなた。
そいぎもう、葡萄のどっさい生ったて。
そいが宝探し。
(出典 三根の民話 P92)