唐津市高島 野崎力蔵さん(明45生)

 支那の高官がね、お茶会を開いた、中国のお偉方が。

そいでね、あの、器量のいい、美人ばっかいが

お茶ばくましたそうですもんね。

ひとり一人高官の前にお茶を持って行って、そのお茶を飲まるっでしょ。

そしてね、出した婦人と、飲まれた高官が一緒に部屋に入(はい)って、

まあ会話なり何(なん)じゃいかんじゃい、こうダンスなりしたて。

そうすっとね、このお茶を持って来た女は気にくわんて。

そうすっとね、女だけ残るでしょうが、お茶がね。

そいでね、嫌がなうもお茶引くて。

それから出てきたちゅう、お茶引くと。

赤線あたりで使われておったでしょうが、残った女を。

つまり売れ残りですな、これからきとる。

(出典 未発刊)

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