鹿島市古枝字中尾 今村松代さん(昭8生)

 鶴の恩返しは、やっぱい助けられて、

そして嫁さんになって、そこに嫁さんになって来て。

そしてから、

「私の部屋には、あの、機ば織る時は入ってくるんな」

ち言(ゅ)うて。

そうしてから、一本一本、毛ば抜いて、

あの、機ば織っとでしょう。

そしてその、あの、お聟さんになんさっ人が、

その反物ば持って町に行きんさっぎぃ、

高(たこ)う売るっとでしょう。

そいぎもう、かつがつ奥さんが弱ってきんさっけんが、

お聟さんがよーら見てみんしゃったぎぃ、

鶴が機ば織いよったとでしょう。

そいしてから、鶴は何処か行ったとでなかですか。

[大成 一一五 鶴女房]

(出典 未発刊)

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