鹿島市古枝字中尾 小池英男さん(大13生)

 チョッと三五〇年ばかいなりますけんが、

あすこの七浦のおおがうらに和尚さんが、あの、夢見て。

そいぎ海岸端に流れ着(ち)いとんさっとば拾(ひる)うて、

そいも和尚さん、舜智(しんき)和尚と言う人ですが、

その人がですね。

あの、今度、宝集院(ほうじゅいん)の第四代の住職に

なっとんさっわけですよ。

そして、藤野瀬に、その、お地蔵さんの海岸端に流れ着いたとを、

あの、清水の湧いて。

そいから藤野瀬という所は、昔、あの、紫の藤の花が、

こうたなびいとったてね。

そいぎもう、お地蔵さんが、

「私、ここに住む」と言うことで、かかいとっさいどん、

動かんごと重(おふ)とうなっとんさったて。

そいで、湧き水の出おっ所に舜智和尚というとが、

祀ったわけですね、お地蔵さんと。

そいぎ信仰も、あの、何(なん)と信者も、

そりゃあ多かった時も、寂れた時もあったわけです。

最近は、また増えかけたわけです。

そいで、火災におうて

第七代の月海和尚がまた再建しとるわけですね。

[文化叙事伝説(英雄)]

(出典 未発刊)

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