伊万里市波多津町煤尾(名前・年齢不詳)女性一名

 おおむかし。

あん、唐津の裏町、勘右衛門さんちおらしたち。

そして、その人が、

「粟ば三度蒔かんならん」ち言わしたて。

そいけん、

「勘右衛門さん、そぎゃん太か、広か畑ば持っとらすだろうかあ」

ち、村ん人の言わしたけん、

あん、弁当持って見ぎゃ畑さい行かしたて。

そしたら勘右衛門さんが言わすとにゃ、

「俺(おり)ゃあ、三遍よいか他(ほか)蒔いとらん」ち言わしたて。

三斗と三遍ばい、大話勘右衛門じゃったけん。

村の人たちは別々腹きゃあち、

「勘右衛門どんのきゃん言わした」ち、

ブスブス腹きゃあち、勘右衛門どんな戻らしたでしょ。

(出典 未発刊)

標準語版 TOPへ