伊万里市波多津町油津 金子タメさん(明39生)

 村ん(もん)が泥鰌汁をしとって、

食びゅうちゅうことで(わっ)か者が寄っとらしたち。

そこに、

「自分はかたせておくれー」ち言うて、豆腐を持って。

そして鍋ん(なき)ゃあ()ん込うで。

そしたら泥鰌がそこん中ゃあもぐってしもうて、

(おり)ゃあ豆腐持って来たけん、豆腐は貰って行くぞう」

て言うて、貰って行きよったら、青年たちが食べるちゅう時ゃ、

もういっちょん泥鰌はなかったちゅう話よ。

(出典 未発刊)

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