伊万里市波多津町油津 谷本春紀さん(明40生)

 「まあ、(うち)ん来てんさい。(うち)、来てろう」て。

「家にゃあもう、(ひょう)ん皮ばしきつめとっ」て、言うたてです、ねぇ。

そうしたところが、その、行たてみたところが、

その、米俵のひょうですね。

あれを、こう、元は(たわら)でしたもんねぇ。

今、かもすちゅうとは、あら後のことですもんね。

昔はもう、俵を編んで夜なべして、

もう私どんが親父時分な、作りよったもんですねぇ。

「そのひょうの皮ちゅうたあ、わが家にはかけとっ」て。

そいぎ行たてみたところが、あんたあ、(なん)のその、

小麦入れの(たわら)の表部で、ズーッともう壁でん何でん貼って、そいで

(わたい)の方はぎゃんふうで、(ひょう)んかわでないしとっ」て。

そいで行たてみたところが、そぎゃん風じゃったてね。

こりゃもう、また勘右衛門からやられたちゅうごたっ風で、

あん、つんもかされて。

(出典 未発刊)

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