東川登町袴野 南 権平さん(明31生)

 そいから、

「何処てぇろうにその、使いに行たてこい」て。

「供養使(つき)ゃあに行たてこい」て。

「あい」て。

「あつけぇ行くないば、(うんぼう)(えす)かごたっとのおっけん、

ビクともすんな」て。

「ビクともせじ行きやいのう」と。

そいぎぃ、そけぇ使(つき)ゃあに行かしたいば、その、

(うんぼう)(えす)かごたっ(うんぼう)のおったちゅうもんなたあ。そいぎぃ、

何某(なにがし)さん方から来ました。こなちゃあは、

(えす)かごたっ婆のおっけん、ビクともすんな」て、

ござっすっけんて、まずそいまで言わしたちゅう話もあんもんのう。

そう言う風なこともござっすっ。

(出典 未発刊)

標準語版 TOPへ