西川登町矢筈 松尾ハルさん(大 5生)

 牛ん背中に乗って、鼠が行きおって。

牛が先行こうで思うて行きおらしたぎにゃあ、鼠がピーンと下りて、

(さき)行かしたちゅうけん、

「鼠がいちばんん口、子・丑・寅」て言うて、言うちゅうてなたあ。

そいけん猫いっちょが入っとらんちゅう。

猫はいちばん(おす)うまでおらしたちゅうもんじゃっけん、

(おい)も行かんじ良かあ」ち()うて、行きよらしたちゅうなたあ。

そいぎにゃあ、十二ん人うち入られんやったけん、猫は入っとられんち言う。

そいばあっかい【それでおしまい】。

(出典 未発刊)

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