みつめ団子

みつめ団子 作:花山院路子

佐賀市川副町鹿江 鹿村キミさん(明34生)

 みつめ【新婚三日目の里帰り】にねぇ、

頭のわるい ばかむこは、およめさんの実家(じっか)で、

丸くて おいしいだんごを食べさせてもらいました。

家にかえってから、およめさんに作らせようと思って、わすれないように、

「だんご、だんご、だんご」と言いながら、かえっていました。

すると、道の途中に

水たまりがあったのでとびこさないといけませんでした。

それで、そこを、

「ドッコイショ」と言って、とびこえました。

ばかむこは頭がわるいから、

「だんご」が「ドッコイショ」と言いかわって、それからは

「ドッコイショ、ドッコイショ、ドッコイショ」になったそうです。

それで、家についてから ばかむこは およめさんに

「ドッコイショを作って、食わせろ!」と言われました。

それで、およめさんが、

「ドッコイショって、何ですかぁ?」と聞かれたら、

「ドッコイショはドッコイショだよ」と言って、

およめさんの頭を たたいたそうです。

そうしたら、およめさんの頭に丸くて、大きいコブができました。

それで、およめさんが

「あんたがたたいたから、だんごみたいなコブができた」と言うと、

ばかむこは

「あぁ、その だんご、だんご」と思い出しました。

そいばっきゃ【それでおしまい】。

(出典 川副町の口承文芸)

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