神埼町伏部 島 吉郎さん(明36生)
あいがその、親の言うことは
その、聞かんでしおった。
ばってん、その親がその、今度
その死ぬ時ないとんな今度、ほんにその、
「ほんに親の言うことば聞こう」ち言うごたっふうで、
「そいけん親が死ぬ時ゃ、俺は、その、川にいけてくいろ」て
言うたばってんが、そいぎ今度ぁ、あの、
そや反対やろうと思うてから、そのー下の方にいけたち。
そうしたらその、そいがその、
「雨が降るぎにゃとその親がその、流さるっ」
ち言うてその、鳴くちて、そう言うようなことも
私は聞きよった。
[大成 四八 鳶不孝]
(出典 未発刊)