伊万里市波多津町井野尾(名前・年齢不詳)男郷土史家

 肥ばかけちくいろという時などに、まあ、

これは浜崎供日、昔々あの、庄屋さんが、

「勘右衛門わがあ、浜崎供日行こうじゃあ」

「浜崎供日、俺(おり)ゃあもう、浜崎供日にゃ行かーん」ち。

「まあ、浜崎供日に行たてみゅうじゃあ」て。

「まあ、行く時ゃあ、声ばかけてくいろう」て言うちから、

和尚さんが頼ましたさい。

そうしたら、朝になっていっちょん声ばかけじぃ、

こりゃあ、あぎゃん頼うじょったとこれぇ、

なし来もせんじゃろう、

声ばかけちくれんじゃろうかにゃあと思うちから、

行たてみらしたら、なーんの勘右衛門さんな、

わが方の庭、肥やしば一生懸命なたかけよらしたて。

それは、その、言葉の表現で

「声ばけけてくれろ」という声と、そいから

「自分の肥やしば庭にいっぱいかけろ」て。

そう言う風で、話を勘右衛門話は

地方の表現の言葉を良く知らなければ、

面白くないという私のことでございます。

(出典 未発刊)

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