嬉野町納戸料 堤 ナミさん（明42生）
妊娠したら、どうしても、節供の桃酒を飲まないといかんと。
その蛇が、きれいな女子（おなご）のところにに行って、妊娠させて、
「あの、節供の桃酒ば飲まんぎぃ、良かいどん」と言って、
蛇が心配するそうです。
「そいば飲むぎいとにゃ、子のつっ下（くだ）っ」と言って、心配します。
だから、
「どぎゃんこってん、その、妊娠した者な、節供には桃酒は飲まんば」
と言って、いつも聞いてましたね。
いつも、通って行っていたそうですね。
蛇がきれいな男になってねぇ。
その女子は好きになりました。
それで、通って行っていたら、身持ちになってから、
「着物の袖と思うとっとけぇ、その、糸でこう、
きっつうきびって、こうしとってみろ」
と言われ、そうしていたら、ずるっーと穴に行った形がついていたそうです。
そうしたら、その蛇が来ていたのがわかったそうです。
それで、
「桃酒ばそいけん飲まんばらんごと、あの、女子はなっとっち」と、
そんな風に、いつも聞いてましたねぇ。
（出典 嬉野の民話 P60）
