鳥栖市牛原町 林 恒雄さん(大元生)

 浦島太郎はな、亀ばいじめよっとを助けたげな。

龍宮城に案内したしたね。

そうしてから、乙姫さんてん、お御馳走いっぱい食べて、

そりゃあ、月日のたつのば忘れてな、

「もう、帰らねばいけません」ち、帰ったところが、

家も何(なーん)も、知った人もひとりもおらん。

そして、そりが帰ったのは、百年も幾らしてから、

帰とっるけん家も何もなかったち。

そいけん、玉手箱を貰うたぎぃ、

「もう、このへんで開けてみろう」ちて、開けたぎにゃ、

真っ白か爺さんになる。

もう、そぎゃしこ長(なご)う龍宮城におったとな。

[二二四 浦島太郎(cf.AT四七〇、四七一)]

(出典 鳥栖の口承文芸 P131)

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