鳥栖市藤木町 立石 かよさん(明41生)

 田舎の海岸付近で、

お嫁さんばもらいなさったところが、

辛か料理がうまいでですね、

朝の味噌汁のおいしかとゆうたら、

とってもおいしかそうですもんね。

そいで、どうして、

「こげな、おいしかお汁(つゆ)を炊くじゃろうか、」

ちゅうてですね、

お姑さんが、気にかけとったて。

そしたら、不思議に夜中に姿が見えんごんなるてですね。

そいが、何日か続いてある晩、

後をつけたらしかですよね、お婆さんが。

そしたところが、海の中に入(はい)り込んで、

それが、鯛のお魚だったって。

お汁(つゆ)は、鍋にまたがってジーッと、

おしっこば、出しよったって。

そいで鯛のおしっこば、飲みよったげな。

(西南大の資料)

[一一二 蛤女房(AT四〇二)]類話

(出典 鳥栖の口承文芸 P103)

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