彩色:宮地武志

武雄市西川登神六 藤山タイさん(明31生)

蛙は、雨の降る時に鳴くでしょう。

あれはですね、むかし、お母さんが、

自分の子が少しも言うことを聞かないので、

自分が亡くなったらですねぇ、

きっと川岸に埋めるだろうと思って、

「死んだら、山に埋めてくれ」て言うて、

亡くなられたそうです。

そうしたら、

亡くなった時だけでも親の言うことを

聞かないといけないと後悔して、

親の言うとおり川岸に埋めたそうです。

それで、蛙【ビッキー】は雨が降ると、

親が流れはしないかと心配して

「ギャッ、ギャッ、ギャッ、親が流れる」

て言うて鳴くそうです。

(出典 佐賀県文化財調査報告書 第71集「~矢筈・神六の民俗~」p109)

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