浜田 尊田マセさん(明41生)
大川側に渡る時、流し賃のなかったけんね、
渡られんやったら、あの、漁すっ人の舟の、そしたらねぇ、
あの、乗せなった舟頭さんが、
「どうせ漁もでけんやったけんね、こいでよかなら渡してやろう」
ち言(ゆ)うて、乗せんさったて。
そのお礼にあの、葦の中さいずうっとその、
降りて入(はい)って行ってから、
あの、葦の葉っぱば一枚持って来てね、
「いちばん困った時にね、この葦の葉ば使いさい」て。
そしてから、川に葦ば漁のなか時に流しんさったら、
あいが魚になってね。
(出典 三根の民話 P79)