神埼町二子 小柳儀一さん(明32生)
猿と蟹の餅搗いてね。
そうしてから、あの、なんかね、
猿がただ持ってね、木の上登っておったて。そいぎ下から、
「くれんかん」てその、おらびよったて。
そいぎまた、ほかの猿が来て、そのなんかね、持って走ったて。
そいぎその、蟹(がい)から挟(はそ)まれたけん、蟹が持って走ったて。
そいぎ、、猿がね、あの、尻(しい)おおで蟹を穴ん中(なき)へ
こうこう穴ん中へ入(ひゃ)ったて。
そいば、その蟹の穴ん中へ入ったけんが、
その、尻おおでこうこうしょったぎその、蟹が尻ばねずんだけん、
猿の尻は真っ赤(まっきゃ)なった。
〔大成二三 猿と蟹の寄合餅cf.AT一九0〕
(出典 未発刊)