唐津市高島 野崎力蔵さん(明45生)
太宰府さい参らすとたいね。
そいでその、朝早く起きるちゅうて、友だちと二、三人と行かすと。
そいとばね、弁当は嫁さんにこしらえとけて、われだけで行かすと。
弁当はお握りば作って持って行かすとばってんね。
風呂敷ば嫁さんの赤か腰巻きばクルクル巻いてね、
背中に背負(かる)うてね、福岡の町ば。そして笑われて。
「お前たちは、人ば見て笑うか」と、腹かかすところ。
そしてズーッと行きよるとね、お店にその、
看板の餅があったね、一重ね。
「そいば売ってくれ」と。
「見本だから売られん」て。
その代金を払って、何処(どっ)か行って食べたところが、
看板だから歯がたたんと話も聞く。
(出典 未発刊)