鹿島市納富分 田中明人さん(大13生)

 雨乞いして身投げしんさった。

雨が降ったかどうか知らんけども、

身投げしたお島さんちゅうのが、

辿(たど)り着いた島が、沖ノ島。

結局、お島さんのあぎゃんと伝説は、

二つ三つあるわけですね。

親孝行の娘が、爺さんと二人住んどってですね。

非常に日照りの害が酷かったもんじゃい、

農民が困っとったと。

そいで、お島さんが神さんに雨乞いの願をかけて、

もう有明海に身を投げなったところが、

いわゆる今のお島さんの死体が見つかったところ。

そいで、そのお陰で、雨が降って日照りがなくなった

と言う恵みの雨が降ったと。

そいで、そのお島さんに因んでお島さん参りすると。

浮立打ってお参りして、石ころを一つ拾って来て神棚に供え、

また次の年にその石をお返しする。

そう言うことを繰り返し毎年やる。

お島さん参りは、

鹿島地区と大牟田、柳川、川副、小長井あたり。

[文化叙事伝説(精霊)]

(出典 未発刊)

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