鹿島市小舟津  北村多美子さん(大13生)

 お寺の側にですね、飴がた屋さんがあって。

そこに毎晩女が来ては、飴がたば買いに来るて。

そいで、余り毎晩毎晩来るもんだから、

その飴がた屋のご主人がですね、ズーッと後ばつけて行ったらですね、

お寺のお墓の方に入って行って消えて無くなんさったそうです。

それで、あくる日、お寺に話してですね。

そしたら、臨月で亡くなって、昔ゃ土葬してたんですからね、

それであの、崇りで、あの、臨月で亡くなった人が、

坊さんの墓開けてみたらですね、

「まん丸肥えてね、その墓に飴がたをいっぱいつけた子供がね、

生きた子供が埋かって、これは本当の話だよ」ち言()うて、

母が話してくれたんですね。

[大成 一四七A 子育て幽霊]

(出典 未発刊)

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