鹿島市広平 寺山フサエさん(大13生)
栗と柿とお茶と売いぎゃ行たて、
そして、あの、売いぎゃ行けて言われて、
「栗柿栗茶」ち言うて、余(あんま)い売れんやったて。
そいぎにゃあと、何(なーん)も売れんやったけん、
「そりゃあブンブン、柿は柿ブンブン、
お茶はお茶にブンブンに言わんけん」
て言うて、叱(くる)われて、
「栗ゃあ栗ブンブン、柿ゃあ柿ブンブン、
お茶はお茶ブンブン」て歩(さる)かいた。
それでも売れんじゃったて。
〔大成 三三一 茶栗柿(cf.AT一六九六)〕
(出典 未発刊)